2011 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト疾患に近いシステムを用いた白血病発症におけるBCR―ABL1遺伝子の機能解析
Project/Area Number |
21591200
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
片山 直之 三重大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20185812)
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Keywords | 血液腫瘍学 / 慢性骨髄性白血病 / 造血幹細胞 / BCR-ABL1遺伝子 / ヒト骨髄由来ストローマ細胞 / リンパ球分化 / 転写因子 / リンパ球抗原受容体 |
Research Abstract |
慢性骨髄性白血病(CML)はp210 BCR-ABL1を発現した造血幹細胞のクローン性疾患であるにもかかわらず、末梢血中のB細胞あるいはT細胞にはp210 BCR-ABL1は検出されない。今年度もCML幹細胞のリンパ球造血の病態を解明するべく研究を継続した。ヒト造血幹細胞分画である CD34^+CD38^-CD10^-CD19^-CD7^-細胞にp210 BCR-ABL1を導入し、ストローマ細胞上でthrombopoietin、c-kit ligand、FLT3 ligandとともに培養したところ、B細胞と思われるCD19^+細胞とT細胞と思われるCD7^+細胞は産生されなかった。一方で、p210 BCR-ABL1が導入されていない CD34^+CD38^-CD10^-CD19^-CD7^-細胞はCD19^+細胞とCD7^+細胞を産生したため、CD19^+細胞とCD7^+細胞のそれぞれB細胞としてのあるいはT細胞としての細胞学的特性を検討した。CD19+細胞はB細胞分化に重要である転写因子PAX5とEBF1を発現し、B細胞抗原受容体であるIGHの遺伝子がVDJ再構成していた。また、CD7^+細胞はT細胞分化に必須の転写因子TCF12とId2を、さらにT細胞抗原受容体の前駆体であるPTCRAを発現していた。これらのことから、本研究においてCD34^+CD38^-CD10^-CD19^-CD7^-細胞から産生されたCD19^+細胞とCD7^+細胞はB細胞としてのあるいはT細胞としての特性を備えていることが確認できた。以上の結果を踏まえて、p210 BCR-ABL1の造血幹細胞のB細胞あるいはT細胞への分化抑制の分子メカニズムについて検討していくことを計画している。また、本研究と並行して、他の付随研究も行った。
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Research Products
(28 results)
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[Presentation] Novel molecular mechanism of MLL-mediated leukemogenesis via a self-renewal transcription factor2011
Author(s)
Ono R, Masuya M, Nakajima H, Enomoto Y, Miyata E, Kamisako T, Ito M, Nakamura A, Suzuki K, Katayama N, Nosaka T
Organizer
第73回日本血液学会学術集会
Place of Presentation
名古屋
Year and Date
2011-10-15
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