2009 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子ネットワーク内のHUB分子が細胞分化能力へ与える影響の分子論的解明
Project/Area Number |
21591208
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
坂本 比呂志 Kumamoto University, 発生医学研究所, 助教 (00347014)
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Keywords | c-myb / 転写因子 / リンパ球 / B細胞 / T細胞 / 骨髄球 |
Research Abstract |
血液細胞の分化増殖への関与が報告されている転写因子c-mybの細胞の運命決定に於ける量的な関与を明らかとするために内因性c-Mybタンパク質のモニター可能なES細胞の作成を試みた。レポーター遺伝子としてEGFPを用いた。従来からの方法では、レポーター遺伝子の発現は観察されるが、その発現はc-Mybの発現量を反映していない。そこで、別の方法論を用いたところ、この有用性が確認された。そこで、このKI-ES細胞をB細胞に分化させ、c-mybmRNAの高発現が報告されている細胞分画でのEGFPの発現が観察された。以上の結果より、このES細胞は、内在性のc-Mybタンパク質の発現をモニターしていると考えている。そこで、このES細胞を用いて、c-Myb発現による血液細胞の運命決定について研究を始めている。特に注目しているのは、B細胞分化に於ける運命決定機構と造血幹細胞の発生におけるc-Mybタンパク質の発現である。血管内皮細胞力、らB細胞の発生する過程おいてc-mybが抑制的に働くことを見いだしているので、VE-Cadherin陽性細胞からのB細胞の発生においてCD45やCD41におけるc-Mybタンパク質陽性、陰性の細胞分画におけるB細胞産生能力の差異を比較している。また、同細胞画分においてT細胞の発生能力を比較することで、B細胞とT細胞の起源細胞が、異なっている可能性を検討している。また、リンパ球だけでなく、骨髄球の再生能力も検討している。予備的な検討では、骨髄球産生能力は、T細胞およびB細胞とは分離できない結果を得ている。この点も今後詳細に検討していく。
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