2009 Fiscal Year Annual Research Report
発作性夜間ヘモグロビン尿症の関連の特発性造血障害の分子病態の解明
Project/Area Number |
21591215
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
中熊 秀喜 Wakayama Medical University, 医学部, 教授 (90207746)
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Keywords | 発作性夜間ヘモグロビン尿症 / PNH / 造血障害 / NKG2D / ULBP / MICA / B |
Research Abstract |
日本の発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)患者の主死因をなす造血障害の発生機序に関して、再生不良性貧血(AA)と同様に免疫機序が示唆されているが詳細は不明である。 我々はストレス誘導蛋白であるNKG2Dリガンド(ULBP,MICA/B)のPNH患者血球における病的発現と、この血球を標的とする自己リンパ球による免疫反応を見出し、造血障害の発生機序との関係を調べている。方法として、PNH、PNH関連の造血障害疾患であるAAと骨髄異形成症候群(MDS)の患者の血球膜におけるNKG2Dリガンド発現を調べた。また、その発現に付随する血球傷害や造血コロニー形成障害の有無を生体外で調べた。その結果、NKG2Dリガンドの病的発現はどの疾患でも観察された。また造血障害は抗NKG2D抗体の存在下で改善した。患者の臨床経過の解析は、血球のNKG2Dリガンド発現と造血障害進展と免疫抑制療法効果に正の相関を示した。 NKG2Dリガンドは本来、細胞が癌化や病原体感染に曝された時に細胞膜に現れるストレス蛋白の一種であり、患者血球が何らかのストレス(病因)に暴露されていることを示唆する。 PNH等の造血障害では血球のNKG2Dリガンド発現と、これを狙うNKG2D免疫が造血障害の発生に深く関与している可能性がある。もう少し多くの造血障害症例において、これらの免疫現象を確認できれば、近い将来、日本人に比較的多い難病の特発性造血障害に対する新しい治療法としての分子標的療法の開発が期待できる。
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