2009 Fiscal Year Annual Research Report
造血幹細胞の増殖と酸化ストレス制御のミッシングリンク
Project/Area Number |
21591216
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Research Institution | Sendai University |
Principal Investigator |
峯岸 直子 Sendai University, 体育学部, 教授 (40271895)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 隆史 東北大学, 医学系研究科, 助教 (70508308)
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Keywords | 造血幹細胞 / 酸化ストレス / 活性酸素 / 細胞の老化 / 癌化 |
Research Abstract |
造血幹細胞(hematopoietic stem cell, HSC)の老化や癌化の予防には、長期間の休止(GO)期を持つ増殖形態や、酸化ストレス防御機構が重要であるとされる。申請者らは造血幹細胞に発現する転写因子GATA2が、増殖を制御するサイクリン遺伝子、および、アポトーシスを抑制するBclX遺伝子に直接結合し、その発現を制御することを報告した(Koga,et al Blood,2007,第71回日本血液学会学術集会)。BclX遺伝子はミトコンドリアの制御を介して活性酸素(Reactive Oxygen Species, ROS)の産生に関わることが報告されており、さらに、GATA2はミトコンドリア由来のROS産生を抑制するLrpprc(leucine-righ pentatricopeptide repeat motif containingprotein、Lrp130)遺伝子)を標的としていることから(未発表)、GATA2が未分化性、細胞増殖、酸化ストレスを包括的に制御する転写因子である可能性が示唆された。しかし、白血病細胞へのsiGATA2導入実験では、Lrpprc mRNAの発現低下を示すことはできなかった。そこで、GATA2による制御が細胞種や細胞周期に特異的であると予想し、その検討を行っている。一方、転写因子Nrf2の発現はHSCにおいて強く、細胞内ROSはNrf2の発現と逆相関してHSCにおいて低いことを見いだし(未発表)、Nrf2がHSC内のROSの除去に働いている可能性が示唆された。そこで、Nrf2遺伝子ノックアウトマウスに骨髄移植や骨髄再生などの負荷を与え、Nrf2によるROSの制御がHSC機能に与える影響について検討を行っている。
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Research Products
(6 results)