2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規のタンパク質発現量調節システムを応用した造血幹細胞の生体内運命決定の制御
Project/Area Number |
21591231
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大津 真 The University of Tokyo, 医科学研究所, 助教 (30361330)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 康雄 北里大学, 医学部, 講師 (60286359)
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Keywords | 造血幹細胞 / レトロウイルスベクター / 発現調節 / 細胞老化 |
Research Abstract |
研究計画に従い、degradation domain(DD)-融合タンパクを発現するレトロウイルスベクターの構築を開始し、いくつかのprototype vectorの作製に成功した。造血幹細胞中で発現量を調節する分子としてSirt-1を選択し、cDNAを入手してDD-Sirt-1ベクターの構築を行った。コントロールとしてDD-onlyベクター、Sirt-1恒常発現ベクターの作製も完了した。これらのベクターを計画通りに293GPGレトロウイルスパッケージング細胞に導入し、安定ウイルス産生株を樹立した。この細胞を用いてVSV-Gシュードタイプのレトロウイルスベクターを産生し、Jurkat細胞を標的としてタイターの測定を行ったところ、造血幹細胞の感染に十分な能力を有するウイルス上清が得られた。モデル細胞として血球系細胞株、Ba/F3細胞、32D細胞を選択し、これらに前述のウイルス液を感染させ、標的タンパクの発現を解析した。発現の解析にはWestern blotを用いるが、本計画の目的にはポピュレーション内での発現量の分布を知ることも重要であるため、新たに細胞内フローサイトメトリー解析法の至適化を行った。結果、固定法の工夫により、市販のモノクローナル抗体での細胞内染色およびフローサイトメトリー解析が可能となった。現在、この解析方法を利用し、DD-システムの確認を行っているが、システムのbaseline leakがしばしば問題となることが明らかになっており、転写レベルでの発現調節とDDシステムを組み合わせることでこの問題を解決することが可能と考え、改良版ベクターの構築を開始している。
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