2009 Fiscal Year Annual Research Report
抗リン脂質抗体症候群関連妊娠初期習慣性流産の責任抗体の同定と新規治療法の開発
Project/Area Number |
21591235
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
山崎 雅英 Kanazawa University, 医学系, 講師 (50242558)
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Keywords | 抗リン脂質抗体症候群 / 不育症 / IgM型-aPS / PT抗体 / モデルマウス |
Research Abstract |
本年度は,IgM-aPS/PT感作APS関連不育症モデルマウスを確立し,本モデルにおける凝血学的・免疫学的パラメータの推移と仔出生率/仔体重の比較検討を行うた.Wild typeの6週齢雌性C57BL/6マウスにFreund adjuvantを加えたヒトIgM-aPS/PT20μgを後足底部に皮下注射した.4週間後,同量のヒトIgM-aPS/PTをboosterとして皮下投与し,実験的不育症モデルを作成した.初回投与8週後に交配した本モデルマウスは対照群と比較して出生仔体数の有意の減少を認めた(6.4±2.4vs2.8±2.6,p<0.01).また仔体重も有意に小さかった(8.1±2.5vs5.6±3.1、p<0.05).以上の結果より,本マウスにIgM-aPS/PT関連流産が惹起されるものと考えられた.ヒトaPS/PT-IgMを免疫することにより,初回投与10週後よりIgM-aPS/PTの上昇傾向が見られ,12週で有意の上昇を確認した.同時に,血小板数の低下,APTTの延長が生じ,投与16~20週で最大効果が確認された.以上の結果より,雌性C57BL/6マウスにヒトaPS/PT-IgMを免疫することによりLA活性を有するIgM-aPS/PTマウスが作成された.以上の結果より,IgM-aPS/PT感作APS関連不育症モデルマウスが確立したことが確認された. 来年度はIgM-aPS/PT感作APSモデルマウスにおける胎仔組織の免疫学的検討を行うとともに,本モデルマウスの不育症に対する抗マウスCD20モノクローナル抗体(MB20-11)投与の有用性の検討を行うことにより,B細胞傷害による抗体産生抑制がIgM-aPS/PT関連SRAを予防できるか考察する予定である.
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