2009 Fiscal Year Annual Research Report
免疫関連遺伝子多型解析に基づく最適な造血幹細胞移植ドナー選択法の確立
Project/Area Number |
21591236
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
高見 昭良 Kanazawa University, 附属病院, 准教授 (80324078)
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Keywords | IL-17 / 遺伝子多型 / 同種造血幹細胞移植 |
Research Abstract |
本研究の目的は、がん監視機構や自己免疫疾患の疾患感受性・感染免疫・同種移植への影響が示唆される免疫関連遺伝子多型を解析し、移植成功率が最も高くなる最適ドナーを選ぶことに加え、移植後合併症を予測し、適切に対処することである。本年度は、HLA敢然一致非血縁者間骨髄移植を受けた前移植歴の無い血液がん患者とそのドナー(510ペア)を対象に、IL-17遺伝子多型(rs2275913,G197A)解析を行い、197A陽性vs.197A陰性陰性で比較検討した。 試料(DNA)と臨床情報は、日本骨髄バンクおよび金沢大学医学系研究科の倫理委員会の審査・承認を得た上で、日本骨髄バンク検体・データ保存事業で収集された非血縁者間同種骨髄移植患者・ドナーのDNAおよび臨床情報を使用した。免疫関連遺伝子多型は、TaqMan SNP遺伝子型解析法により決定した。 骨髄破壊的前処置群(360ペア)・骨髄非破壊的前処置群(150ペア)各々に関して、197A遺伝子多型陽性vs.197A遺伝子多型陰性で比較検討した。多変量解析では、骨髄破壊的前処置群において、患者197A陽性は急性GVHDの有意な危険因子であった。骨髄非破壊的移植(150ペア)群を対象にこれを検証したところ、患者197A陽性が急性GVHDの危険因子であることが裏付けられた。ただし、IL-17遺伝子多型は、治療関連死亡率や全生存率に有意な影響を及さなかった。また、多変量解析上、ドナーのIL-17遺伝子多型は移植後転帰に有意な影響を示さなかった。 以上から、免疫関連遺伝子多型解析は、同種造血細胞移植治療成績向上に役立つことが示された。
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Research Products
(12 results)