2011 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカイン産生を誘導する自己抗体を用いた骨髄不全モデルマウスの作成
Project/Area Number |
21591237
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
高松 博幸 金沢大学, 医学系, 助教 (70401932)
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Keywords | モエシン / ノックアウトマウス / 骨髄不全 / 自己抗体 / ハイブリドーマ |
Research Abstract |
抗モエシン抗体を用いた骨髄不全マウスの作製:モエシンノックアウトマウスを用いた抗モエシンモノクローナル抗体・ポリクローナル抗体の産生とその抗モエシン抗体を用いた造血不全モデルマウスの作製 これまでの報告ではモエシンノックアウトマウスと野生型マウスでは表現型は同じとされていた(J Biol Chem 1999)が、血算を調べてみたところ統計学的有意差をもってモエシンノックアウトマウスでは白血球減少や貧血が認められた。その原因について精査したところ、モエシンノックアウトマウスでは加齢とともに体重減少や脾腫大が顕在化し、骨髄は正形成であったがLin-Sca-1+c-kit+マウス造血幹細胞が減少し、免疫染色にてCD79α陽性、Igκ陽性のB細胞、形質細胞の減少とCD3陽性細胞の増加が認められた。さらに、モエシンKOマウスでは脾臓の濾胞構造が不明瞭化し、骨髄同様にCD79α陽性のB細胞の減少とCD3陽性細胞の増加が認められた。前述の論文(J Biol Chem 1999)と異なり、今回使用したモエシンKOマウスは8代以上B6マウスと交配したB6マウスのバックグラウンドを有するマウスであるために、このようなKOマウスでの表現型の違いが生じたと推定した。一方、モエシンKOマウスにモエシン蛋白質を免疫したところ、予想通り抗モエシン抗体の産生が確認された。3GyのTBIで前処置した野生型マウスに抗モエシン抗体を産生する脾臓細胞と骨髄細胞を骨髄内移植したところ、野生型マウスに抗モエシン抗体産生が認められた。さらに、その野生型マウスのTNFαとIFNγ濃度が上昇し、白血球減少がみとめられたが、血小板減少と貧血は認められなかった。以上から、モエシンはマウス造血で重要な役割があると考えられた。
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Research Products
(1 results)