2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21591240
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
大石 晃嗣 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (00397506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 博嘉 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任准教授 (10444431)
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Keywords | ヒト骨髄ストローマ細胞 / Bリンパ球分化 / Tリンパ球分化 / flt3 ligand / stem cell factor / thombopoietin / 細胞接着 / NKリンパ球分化 |
Research Abstract |
[研究成果] これまで、ヒトリンパ球系細胞分化は、主にマウスのストローマ細胞を用いて検討されてきた。しかし、BおよびTリンパ球系細胞分化を同時に支持する培養系は報告されていない。我々は、hTERT遺伝子導入不死化ヒト骨髄由来ストローマ細胞が、ヒト造血前駆細胞から、CD19^+proBとCD7^+CD56^-CD45RA^+T/NKリンパ球系前駆細胞の生成を支持することを見出した。さらに、この培養系を用いて、flt3Lが、B・T両方のリンパ球系前駆細胞の生成を促進すること、SCFやTPOは、単独ではB・Tリンパ球系前駆細胞の生成に影響を与えないものの、flt3L存在下にて、両方のリンパ球系前駆細胞の生成を促進することを見出し.た。これらの作用は、不死化ストローマのみならず、正常骨髄由来のストローマ細胞との共培養でもみられた。さらに、興味深いことに、これらのリンパ球系細胞の分化は、造血前駆細胞とストローマ細胞との接着を阻害してもみられたことから、T・Bリンパ球系細胞の初期の分化には、ストローマ細胞との直接の接着は、必ずしも必要でないことが示唆された。 [意義]今回の研究により、ヒト骨髄ストローマ細胞が、BのみならずTリンパ球系細胞の初期分化に重要であること、flt3Lがこれらのリンパ球系細胞の生成において中心的な役割を持っていることが明らかとなった。特に、これまでほとんど明らかにされていないヒトTリンパ球系細胞の初期分化の一端が明らかになった。 [重要性] 本培養系の確立により、造血幹細胞からT・Bリンパ球系細胞を含む様々な細胞への分化経路や、その分子機構について研究を行うための基盤ができた。さらに、造血器腫瘍の幹細胞の分化・増殖の制御機構の解明においても、重要な役割を果たすものと思われる。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Human bone marrow stromal cells simultaneously support B and T/NK lineage development from human haematopoietic progenitors : A principal role for flt3 ligand in lymphopoiesis2012
Author(s)
Nakamori Y, Liu B, Ohishi K, Suzuki K, Ino K, Matsumoto T, Masuya M, Nishikawa H, Shiku H, Hamada H, Katayama N
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Journal Title
British Journal of haematology
Volume: (In Press)
Peer Reviewed
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