2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規リンピ球初期分化制御分子SFRP1の生理的機能と作用機序の解明
Project/Area Number |
21591241
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
横田 貴史 Osaka University, 医学系研究科, 助教 (60403200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
織谷 健司 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (70324762)
金倉 譲 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20177489)
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Keywords | リンパ球前駆細胞 / 造血幹細胞 / SFRP1 / Wntシグナル |
Research Abstract |
リンパ球分化の分子メカニズムは、サイトカインからのシグナル伝達機構や転写因子の解析を通じて、近年理解が深まっている。しかしその初期段階、すなわち造血幹細胞からリンパ球前駆細胞への分化の制御機構については、不明な部分が数多く残されている。私達は、妊娠期のリンパ球造血が著明に低下すること、さらにその変容に性ホルモンestrogenが関与していることに着目し、間質細胞におけるestrogen誘導遺伝子から、リンパ球初期分化に関与する分子の候補として、sFRP1を同定した。さらに培養実験にて、sFRP1存在下では、造血幹細胞分画からのBリンパ球分化が、濃度依存性に抑制されこした。 次に、一生体内でのsFRP1の機能を明らかにするため、sFRP1過剰発現マウスのモデルを作製した。胎生期にsFRP1が過剰発現すると、免疫系・造血系の発生に影響を与える可能性が推測されたため、免疫グロブリン軽鎖のプロモーター領域の下流にsFRP1遺伝子を導入した胚細胞と無免疫グロブリン血症のマウスの胚細胞を混和してキメラマウスを作製し、生後sFRP1が高濃度に分泌されるシステムを設計した。得られたキメラマウスを解析した結果、同マウスでは骨髄中でリンパ球前駆細胞の分化異常が起こり、末梢血中のリンパ球が著明に減少していた。このキメラマウスとwild typeのC57B6/Jマウスの交配を行い、germ lineに改変遺伝子の導入に成功した。その後6回以上C57B61/マスとバッククロスを行い、安定したsFRP1 knocked-in transgenic mouseモデルを作製した。次年度はこのマウスに関して詳細な解析を行う予定である。
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Research Products
(4 results)