2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規リンパ球初期分化制御分子SFRP1の生理的機能と作用機序の解明
Project/Area Number |
21591241
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
横田 貴史 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (60403200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
織谷 健司 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (70324762)
金倉 譲 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20177489)
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Keywords | リンパ球前駆細胞 / 造血幹細胞 / SFRP1 / SFRP5 / Wntシグナル |
Research Abstract |
私達は、妊娠期のリンパ球造血が著明に低下すること、さらにその変容に性ホルモンestrogenが関与していることに着目し、間質細胞におけるestrogen誘導遺伝子から、リンパ球初期分化に関与する分子sFRP1を同定した。SFRP1は培養系において、造血幹細胞分画からのBリンパ球分化を、濃度依存性に抑制した。本年度は、生体内でのsFRP1およびそのファミリーの機能を明らかにするため、sFRP1とsFRP5の過剰発現マウスのモデルを作製し、解析を行った。これらのマウスの末梢血解析では、白血球数が有意に低く、特にBリンパ球数が著明に減少していた。その抑制の程度はsFRP5マウスの方がsFRP1マウスよりも顕著であった。脾臓は生後6-7週の時点で既に野生型同胞と比較して明らかに小さく、細胞分画ではBリンパ球が顕著に減少していた。骨髄中ではproB細胞分画以降のBリンパ球前駆細胞が、比率および細胞数ともに著明に減少していた。骨髄中の造血幹細胞からproB細胞に至るリンパ球初期分化過程をさらに詳細に検討した。SLAM familyをマーカーとして加えた解析で、sFRP5過剰発現マウスの骨髄ではLin^- ckit^<Hi> Sca1^+ CD150^+ CD48^-の造血幹細胞分画およびLin^- ckit^<Hi> Sca1^+造血幹/前駆細胞が、野生型同胞と比較して減少していた。それに対し、Lin^- ckit^<Lo> Sca1^-/Lo> IL7R^+分画の増加が認められたことから、sFRP過剰状態では造血幹細胞の維持の障害とリンパ球前駆細胞の分化異常という2つの問題が生じていることが示唆された。
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Research Products
(5 results)