2010 Fiscal Year Annual Research Report
血栓形成のポジティブおよびネガティブ制御機構の解析
Project/Area Number |
21591242
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
冨山 佳昭 大阪大学, 医学部附属病院, 講師 (80252667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
織谷 健司 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (70324762)
柏木 浩和 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (10432535)
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Keywords | αIIbss3 / αアクチニン / CMK細胞 / inside-out signaling |
Research Abstract |
血小板機能はポジティブおよびネガティブ機構により制御されている。報告者は、これまでの研究成果として、ネガティブ機構に関してアディポネクチン、Semaphorin 3Aなどの蛋白を明らかにしてきた。本年度の成果として血小板凝集に必須であるGPIIb-IIIa活性化に関して、αアクチニンがその活性化をネガティブに制御していることを明らかにした。ヒト血小板をPAR1、PAR4-TRAPで刺激し、αIIbss3とαアクチニンの結合を共免疫沈降法で経時的に観察した。非活性化型αIIbss3とαアクチニンは共免沈された。PAR1-TRAPでαIIbss3を一過性に活性化させると、αアクチニンはαIIbss3から瞬時に離れ、刺激後20分で再結合した。PAR4-TRAPでαIIbss3を持続的に活性化させた時は、刺激後20分でも解離したままであった。このαアクチニンとαIIbss3の可逆的な結合には、αアクチニンのリン酸化が同調しており、SHP-1によって制御されていた。血小板無力症血小板では、αアクチニンのリン酸化様式は健常血小板と同じであり、P2Y12欠損血小板では、αアクチニンのリン酸化は健常血小板よりも早期に非活性化状態に回復した。さらにPAR1-TRAPにてαIIbss3を活性化しうる巨核球細胞株CMK細胞を用いた新規実験系を用いて、αアクチニンの強制発現およびshRNAを用いた発現抑制を行なった。その結果、αアクチニンの強制発現にてαIIbss3の活性化は抑制され、一方αアクチニンの発現抑制にてαIIbss3の活性化の亢進が誘導された。以上の結果より、インテグリン結合蛋白の1つであるαアクチニンnがインテグリンαIIbss3のinside-out signalに対し抑制的に作用することが明らかとなった。
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Research Products
(11 results)
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[Presentation] 治療抵抗性慢性特発性血小板減少性紫斑病(ITP)患者に対するエルトロンボパグの臨床試験成績2010
Author(s)
冨山佳昭, 宮川義隆, 岡本真一郎, 勝谷慎也, 木村昭郎, 大越靖, 二宮治彦, 小杉浩史, 野村昌作, 尾崎勝俊, 池田康夫, 小尾伸之, 桂幸一, 金倉譲
Organizer
第33回日本血栓止血学会学術集会
Place of Presentation
鹿児島、城山観光ホテル
Year and Date
2010-04-24
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