2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト皮下脂肪組織からの新規分化誘導法による血小板産生
Project/Area Number |
21591250
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
松原 由美子 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70365427)
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Keywords | 血小板 / 巨核球 / 脂肪組織 / 分化誘導 / 造血幹細胞 / 遺伝子ターゲティング / トランスクリプトーム解析 / 血小板輸血 |
Research Abstract |
本研究では、申請者が世界ではじめて開発した「試験管内で、少量のヒト皮下脂肪組織から大量に血小板を得られる細胞培養システム」により産生される血小板の詳細なcharacterizationを行い、本システムの基礎研究・臨床応用への有用性を検討する。具体的には、皮下脂肪組織から得る血小板、造血幹細胞から得る血小板、そして末梢血中の血小板のそれぞれに対して機能検討をはじめとするcharacterizationを詳細に行い、対象サンプルの相違を解析する。CD34陽性細胞、ES細胞、iPS細胞は試験管内で血小板産生を行うためのstarting materialとして長所と短所を有している。申請者はこれら3つの長所を有し、短所を持たない皮下脂肪組織をstarting materialとして着目した。その皮下脂肪組織から得られた血小板のcharacterization、特に血小板機能調節の要である血小板活性化に着目した検討を実施し、試験管内で得た血小板と末梢血中の血小板の相違を明らかにする。本年度の解析対象サンプルは(a)ヒト皮下脂肪から分化誘導にて得た巨核球と血小板、(b)ヒト骨髄CD34陽性細胞から分化誘導により得た巨核球と血小板、(c)ヒト血小板、に加え(d)マウスからの皮下脂肪組織から分化誘導にて得た巨核球と血小板、(e)マウス骨髄造血幹細胞から分化誘導により得た巨核球と血小板、(f)マウス血小板、である。マウスからのサンプルを解析することにより、同一個体での骨髄、脂肪組織それぞれから得た巨核球や血小板の比較が可能となった。in vitroにおける巨核球や血小板のcharacterizationのデータは集積でき、脂肪由来血小板は機能が高いことを認めた。次年度のin vivo検討の為にマウスへの巨核球輸血の手技を習得し、pilot studyを行い検討条件の確定を行った。
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Research Products
(4 results)