2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト未分化CD34抗原陰性造血幹細胞の特性解明と再生医療への応用
Project/Area Number |
21591251
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
薗田 精昭 関西医科大学, 医学部, 教授 (60206688)
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Keywords | 造血幹細胞 / 臍帯血 / CD34抗原 / 骨髄内移植法 / NOGマウス / SRC / 可塑性 / 再生医療 |
Research Abstract |
今年度は、われわれが独自に開発した骨髄内直接移植法を用いて、ヒト臍帯血中に世界で初めて同定に成功した非常に未分化な造血幹細胞(HSC)であるCD34抗原陰性(CD34) SCID-repopulating cell (SRC)(Blood 101 : 2924, 2003)の更なる純化法の開発を行った。 従来法では、13種類のLin抗体を用いていたが、新たに5種類のLin抗体(抗CD11b, CD33, CD66c, CD45RA, CD127抗体)を加えた18種類のLin抗体を用いるnegative selection法を開発し、CD34 HSCを1/1,000の頻度(従来法1/25,000)まで高度に濃縮純化することに成功している(Blood 114 : 336, 2009 ; Exp Hematol 39 : 203, 2011)。本法で純化した18Lin-CD34-細胞は、従来法と異なりほぼ100%が芽球様形態を示した。さらに、従来法では認められなかった造血前駆細胞コロニー形成能を示し、大半は赤芽球バーストと混合コロニー形成細胞で占められていた。本細胞2000個(2SRCsを含む)をNOGマウスに移植すると、6カ月間に亘りT細胞系を含む多血球系統のヒト造血能が再構築され、その骨髄生着率は70~80%を示した。CD34-SRCの造血能は、従来最も未分化とされているCD34+CD38-SRCと同等か、それ以上と考えられた。興味あることに、この18Lin-CD34-細胞を新たにヒト骨髄細胞より予期的に分離・樹立した間葉系幹細胞と共培養することにより、in vitroでCD34+CD38-SRCが産生されることが示された。以上より、CD34-SRCは、CD34+CD38-SRCよりも未分化な、hierarchy上より上位のHSCであることが示唆された。
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