2011 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト白血球抗原半合致造血幹細胞移植療法の安全性確立に向けての研究
Project/Area Number |
21591252
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
小川 啓恭 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (80194447)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池亀 和博 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (20372609)
藤岡 龍哉 関西医科大学, 医学部, 助教 (70403045)
吉原 哲 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (90461037)
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Keywords | 造血幹細胞移植 / HLA不適合移植 / 移植片対宿主病 |
Research Abstract |
同種造血幹細胞移植は、化学療法などの通常の治療で治癒が得られない難治性悪性血液疾患を治すことができる唯一の治療である。移植を行うには、ヒト白血球抗原(HLA)が適合したドナーを必要とするが、昨今の少子化の影響もあって、移植を必要としていても、血縁ドナーが見つかる確率は20%と低い。これを補完するために作られた骨髄バンクや臍帯血バンクからの移植も、それぞれドナー/レシピエントのコーディネートに時間がかかる、生着不全率が高いなどの欠点がある。一方、血縁で、HLA半合致ドナーから移植ができるとなると、骨髄移植において、ドナーの問題が解消される。しかし、HLA半合致移植の最大の問題点は、移植時に造血幹細胞とともに、患者に輸注されるドナーT細胞が、患者の正常の組織を攻撃する反応、すなわち移植片対宿主病(graft-versus-host disease=GVHD)である。とりわけ、ステロイド抵抗性のGVHDは、致死率が高い。このGVHDを惹起しているドナー由来の病的に活性化したリンパ球を、second donorから再移植を行うことで、駆逐することができれば、GVHDは治癒に至ると考えられる。我々は、この理論の正当性を、マウスのGVHDモデルで証明し、この治療法を"graft-versus-GVHD"と名付けた(Experimental Hematology,2008:36:1216-1225)。次に、ステロイド抵抗性難治性重症GVHD患者16名に対して、17回のgraft-versus-GVHD療法を実施した(Experimental Hematology,2011:39:880-890)。評価可能な15例中11例でsecond donorの移植片が生着し、4例は拒絶に至った。生着例では、81.8%という高いresponse rate(8例で完全寛解、2例で部分寛解)が得られた。拒絶例では、50%のresponse rate(いずれも部分寛解)にとどまった。graft-versus-GVHD療法を成功させるためには、second donorの生着が必要であることが証明された。
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Research Products
(15 results)
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[Presentation] Haplo-identical HCT from family members2011
Author(s)
Ogawa H, Haplo-identical HCT from family members
Organizer
The 1st international scientific symposium on hematopoietic stem cell transplantation in emerging countries
Place of Presentation
Hanoi, Bietnam(招待講演)
Year and Date
20111110-20111112
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