2011 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ球とマクロファージの分化を支配する転写因子NFkBの免疫制御機構の解明
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21591254
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
土井 貴裕 独立行政法人理化学研究所, 生体情報統合技術開発チーム, サブチームリーダー (60227684)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三瀬 節子 独立行政法人理化学研究所, 生体情報統合技術開発チーム, 開発研究員 (00269052)
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Keywords | NF-kB / RelA / c-Rel / Hematopoiesis / Lymphocyte / Macrophage / Maturation arrest / Apopotsis |
Research Abstract |
本研究の目的は、転写因子NF-kBのサブユニットRelAとc-Relを欠損したマウス骨髄からリンパ球ならびにマクロファージが出現してこないという表現型を示すことについて、その原因を解明するとともに、リンパ球およびマクロファージの分化にNF-kB/RelAおよびc-Relサブユニットが以下に関与しているのかを明らかにすることである。このことを通じて、血球の分化におけるブラックボックスを解明することに津軽事に生物学的意義があると考えた。 転写因子NF-kBのサブユニットRelAとc-Relを欠損したマウスは、胎生期に致死となるため、死亡直前の胎児肝臓(胎生期に造血を担っている)を放射線照射した成人マウスに移植し、骨髄の再構築を図った。その結果、(1)リンパ球(TおよびB共に)が著明に減少していること、(2)マクロファージ系の骨髄球の著明に減少していること、を見出した。 再構築した骨髄を用いたin vitroの解析から、以下の点を明らかにした。 (1)CFC assay:造血幹細胞を誘導した結果、全血球系のコロニーの出現が著明に減少していることを見出した。 (2)T lymphocyte:支持細胞の上で誘導培養した結果、未熟Tリンパ球までの分化は見られたが、分化段階のリンパ球が圧倒的に減少していた。 (3)B lymphocyte:骨髄のFACS解析から、Pre-Bの段階で分化が止まっていることを見出した。 (4)Erythroid:コロニーフォーメーションアッセイにおいて、コロニー数の著明な減少が見られた。 (5)Macrophage:GM-CSF,M-CSFおよびIL-3による誘導では、誘導開始から4-5日目に細胞死を起こすことを見出した。 さらに、骨髄の遺伝子解析から、Pax-5,IL-7,IL-7Rの著明な発現低下を見出した。
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