2009 Fiscal Year Annual Research Report
難治性自己免疫疾患に対する新しい幹細胞移植療法の開発
Project/Area Number |
21591266
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
塚本 浩 Kyushu University, 大学病院, 助教 (70304772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀内 孝彦 九州大学, 医学研究院, 准教授 (90219212)
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Keywords | 造血幹細胞 / 制御性T細胞 / 間葉系幹細胞 / 自己免疫疾患 |
Research Abstract |
当施設において難治性自己免疫疾患23例(強皮症19例、皮膚筋炎3例、ウェケナー肉芽腫症1例)に対し、自己末梢血幹細胞移植を施行し、有効性と安全性について確認してきた。これまで本療法の移植片としては、純化CD34陽性細胞か非純化CD34陽性細胞を用いてきたが、本研究ではCD34陽性細胞+制御性T細胞を移植片とする造血幹細胞移植を開発することが目的である。本年度はまず、移植片としてCD34陽性細胞+制御性T細胞を用いることの妥当性を検討するため、自己末梢血幹細胞移植を施行した自己免疫疾患患者の制御性T細胞の回復につき解析した。自己造血幹細胞移植後、CD8陽性T細胞は速やかに回復したが、CD4陽性T細胞の回復は遅延し、移植3年後でも治療前の1/2以下にとどまった。CD4陽性T細胞の内訳を見てみると、回復したのは大部分がメモリーT細胞でナイーブT細胞の回復は抑制されていた。制御性T細胞はCD25陽性T細胞に含まれるため、CD25陽性T細胞に着目して検討したところ、自己造血幹細胞移植後、CD25陽性細胞の回復は長期間にわたり抑制されていた。次に制御性T細胞に特異的なマーカーであるFoxP3を用いて検討したととろ、CD4陽性FokP3陽性細胞の回復は移植3年後でも抑制されていることが明らかになった。自己造血幹細胞移植後の制御性T細胞の回復遅延は、移植後の原疾患の増悪や新しい自己免疫疾患の発症と関連する可能性があるため、是正されることが望ましい。以上本年度の研究により移植片としてCD34陽性細胞+制御性T細胞を用いることの妥当性が明らかになった。
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Research Products
(3 results)