2009 Fiscal Year Annual Research Report
CBL会合アダプター(CIN85)による自己反応性B細胞の機能制御
Project/Area Number |
21591267
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
新納 宏昭 Kyushu University, 大学病院, 助教 (20380636)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤司 浩 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (80380385)
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Keywords | 自己免疫疾患 / 細胞・組織 / 免疫学 / シグナル伝達 / 内科 |
Research Abstract |
本年度の研究は、CIN85によるヒトB細胞分化への作用の解明、マウスCIN85 RNAiベクターの作成を行った。 (1) CIN85によるヒトB細胞分化への作用の解明 まず正常ヒトB細胞へCIN85 RNAi(GFP)ベクターを導入すると、内因性CIN85発現が10~20%程度まで抑制された。このCIN85ノックダウン細胞を用いて、B細胞の抗体産生細胞への分化をBlimp-1やXbp-1遺伝子の発現誘導にてモニターした。その結果、Blimp-1とXbp-1遺伝子の発現はB細胞抗原受容体(BCR)単独刺激では誘導されず、それらの誘導にはBCRに加えてToll-like受容体(TLR)の共刺激が必要であった。また、CIN85はBCR+TLRによるB細胞の分化誘導を抑制することが判明した。以上より、CIN85はこれまでの生存・増殖への作用に加えて、B細胞分化への作用も示すことが示唆される。 (2) マウスCIN85 RNAiベクターの作成 内因性マウスCIN85を標的としたRNAiベクターを発現しているstable A20細胞(マウスB細胞株)を樹立し、BCR刺激による下流のシグナル伝達分子の活性化へのCIN85ノックダウンの効果を評価した。その結果、A20細胞にて内因性CIN85発現が10~20%程度まで抑制されることを確認した。さらに、この細胞を使用して、CIN85がBCR刺激によるSykならびにPLCγ2の活性化を抑制することが判明した。以上より、CIN85はマウスB細胞に対してもヒトの系と同様の作用を示すことが示唆される。
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