2009 Fiscal Year Annual Research Report
TCRζ鎖mRNA 3'UTR異常に伴う全身性エリテマトーデス発症機序
Project/Area Number |
21591268
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
津坂 憲政 Tokyo Dental College, 歯学部, 准教授 (00245490)
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Keywords | 全身性エリテマトーデス / TCRζ鎖 / 3' UTR / ノックアウトマウス / RNA結合タンパク |
Research Abstract |
これまでわれわれは、SLE患者末梢血T細胞では560nt欠損した短い3' UTR(AS)をもつTCRζ鎖(ζ鎖)mRNAが優位に発現し、欠損した560ntにはζ鎖mRNA 3' UTR内の2つのconservative sequence(CS1,CS2)が含まれ、この2つのCSがζ鎖mRNAの安定性を決定し鎖発現を規定することを報告した。そこで本研究では、今年度はまずこのCSに結合しζ鎖発現を規定するタンパクを同定することを試みた。まず、WT(wild-type)cDNA,AS cDNAならびにCS1あるいはCS2を欠損させたcDNA(CS1 cDNA, CS2 cDNA)をそれぞれPCRで増幅し、pCRIIベクターに組み込み、biotin RNA labeling mixを用いてin vitro transcriptionでビオチン標識したmRNAを作製した。続いてこのビオチンラベルmRNAをJurkatt細胞抽出物と混和させた後にstreptavidin-agarose beadsを加えて洗浄後、抽出液を用いてmRNA結合タンパクを抽出した。その結果、WT mRNAとCS1 mRNAからは14-kDタンパクが抽出された。その一方でAS mRNAとCS2 mRNAからは抽出されなかった。以上のことから、14-kDタンパクは、鎖mRNA 3' UTR内のCS2に結合し鎖mRNAを安定かさせることで鎖発現を規定する可能性が示唆された。さらに、CS2をノックアウトさせたマウスを作製し、SLE様のphenotypeを呈するかどうかを検討するために、BALB/cマウスζ鎖遺伝子中のCS2部位欠損させたarmを作製し、5'側の相同領域とするデザインとした。5'相同領域を3.5~4.5kbとし、3'相同領域を5~8kbでターゲッティングベクターをデザインし、作製を行った。
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