2010 Fiscal Year Annual Research Report
多発性筋炎/皮膚筋炎に伴う急速進行性間質性肺炎の病態解析と新規治療に関する研究
Project/Area Number |
21591269
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
亀田 秀人 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (00265795)
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Keywords | 間質性肺炎 / 皮膚筋炎 / イマチニブ / 線維芽細胞 |
Research Abstract |
1)細胞培養系における検討 ヒトII型肺胞上皮細胞株であるA591とヒト肺線維芽細胞を24-wellプレートを用いたI型コラーゲンゲル中でともに1×10^5cells/mlで14日間の混合培養を行った。コラゲナーゼ処理によりゲルを可溶化し、細胞を回収した。細胞をバッファーで洗浄後、II型肺胞上皮細胞と線維芽細胞(抗CD90抗体反応性)の各々の細胞の増殖やアポトーシスを解析した。PDGF 10ng/ml刺激は線維芽細胞の増殖を選択的に促進し、これはイマチニブにより抑制された。また、PDGF刺激の有無にかかわらず、A591細胞の共存の有無が線維芽細胞増殖に及ぼす明らかな影響を認めなかった。さらに、一部のA591細胞を機械的に剥離する傷害モデルを作製して、その線維芽細胞に及ぼす影響も検討したが明らかには認めなかった。従って、間質性肺炎の病態において、肺胞上皮細胞障害と線維芽細胞増殖とは、多くの部分は非依存的に進行していると考えられ、その治療においては肺胞上皮細胞のアポトーシス抑制と線維芽細胞の増殖抑制を同時に行う必要性が示唆された。 2)動物モデルにおける検討 12-15週齢の雄性ICRマウスを用いて、麻酔下でday 0にブレオマイシン2mg/kgまたは10mg/kgを気管内投与して、Day 7に肺の出血および炎症や線維化を検討した。昨年度、異なるブレオマイシン投与量により異なる肺病変生じることが判明したため、今年度は肺の病理組織学的な検討を行った。ブレオマイシン2mg/kgの投与では線維化病変が主体に形成され、一方、10mg/kgの投与ではびまん性肺出血が主体であった。従って、肺線維症と肺出血の2つのモデルが投与量依存性に形成され、間質性肺炎における肺出血の位置づけがより明らかとなった。
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