2010 Fiscal Year Annual Research Report
関節炎モデルを用いた全身性炎症による心血管障害の機構解明と治療法開発
Project/Area Number |
21591274
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
守田 吉孝 川崎医科大学, 医学部, 講師 (50346441)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 稔 川崎医学大学, 医学部, 講師 (70449891)
矢田 豊隆 川崎医学大学, 医学部, 講師 (00210279)
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Keywords | 関節リウマチ / アジュバント関節炎 / 関節炎モデル / サイトカイン / 内皮機能 / IL-6 / TNFα / 血管障害 |
Research Abstract |
関節リウマチ患者では動脈硬化の初期病変である内皮機能障害が認められる。また我々は以前に、関節リウマチの動物モデルとしてよく知られているラットのアジュバント関節炎においても、大動脈壁のNAD(P)H oxidase活性が亢進し、内皮機能障害が認められることを報告している。どのようなメディエーターが関節炎モデルの血管障害を惹起しているかは明らかにすべき課題である。リウマチ患者や関節炎モデルの血中に検出される炎症性サイトカインの関与は強く疑われ、臨床的にもリウマチ患者の血管内皮機能障害が抗TNF療法にて改善することも報告されている。本年度は下記の知見が得られた。 正常ラット胸部大動脈を関節炎ラット由来の血清(50%希釈)や様々なサイトカイン存在下で18時間短期培養し、血管壁NAD(P)H oxidase活性と内皮依存性血管弛緩反応に与える影響を検討した。50%希釈関節炎血清はNAD(P)H oxidase活性を有意に亢進させ、血中に存在する因子が血管障害を惹起することを確認した。リコンビナントIL-6, TNFα, IL-1は各々濃度依存性にNAD(P)H oxidase活性を亢進させ、内皮機能を低下させた。特にIL-6は、TNFαやIL-1と比して、より低濃度にて内皮機能障害活性を認めた。 以上のとおり、関節炎モデルの血中に上昇する炎症性サイトカインが早期血管障害を直接的に惹起することを確認し、中でも特にIL-6が重要な血管障害因子である可能性を明らかにした。
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Research Products
(4 results)