2010 Fiscal Year Annual Research Report
関節リウマチ患者単球系細胞に対するJAK3阻害剤の新規薬効解明と投薬法の開発
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21591275
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
山岡 邦宏 産業医科大学, 医学部, 講師 (20425317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 良哉 産業医科大学, 医学部, 教授 (30248562)
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Keywords | Jak阻害剤 / 樹状細胞 / 単球系細胞 / 滑膜細胞 |
Research Abstract |
本年度は骨代謝におけるJak3の役割を検討した。まず、in vivoにおける検討を目的としたJak3/Rag2ダブルノックアウトマウスに正常リンパ球を移入した実験系では骨密度の低下がみられるまでマウスが生存できず、検討困難であった。現在、Jak3/Rag2ダブルノックアウトマ骨髄細胞を用いたin vitroにおけるマウス破骨細胞分化と高齢マウスにおける骨密度についても検討中である。 ヒト骨代謝については、末梢血単核球より単球を採取し、M-CSFとRANKLを添加した培地中における破骨細胞分化について検討を行った。Jak3 siRNAによるノックダウンは細胞死を誘導し評価に十分な細胞数が得られなかった。そこで、Jak3に高い特異性を有し、関節リウマチを対象とした臨床試験において高い有効性を示しているCP690,550を培地中に添加した。CP690,550の添加の有無に関わらず、破骨細胞数、cathepsinK発現と象牙を用いた骨吸収能に変化はみられなかったことから、正常状態におけるin vitroでの破骨細胞分化と機能においてJak3が果たす役割は限定的と考えられる。しかし、炎症状態下における破骨細胞分化と機能は炎症性サイトカインであるTNF-αやIL-6により、直接的・間接的に促進されることが知られており、現在、これらの炎症性サイトカイン存在下におけるCP690,550の影響を検討している。
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