2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト制御性T細胞への分化誘導や抑制機能を高める生理活性物質の解析と治療への応用
Project/Area Number |
21591282
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
長谷川 均 Ehime University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (40164826)
|
Keywords | 制御性T細胞 / Foxp3 / 核内受容体リガンド / PPAR |
Research Abstract |
RAなどの自己免疫疾患の制御には、制御性T細胞(Treg)が重要な役割を演じているが、Foxp3の誘導メカニズムは十分解明されていない。また、ヒトでは、TCR刺激やTGF-betaによって誘導されるFoxp3の発現は、低レベルで一過的であり、この発現細胞は抑制機能を持たないことが明らかになった。ヒトFoxp3の発現を増強させ、安定させる物質があれば、ヒトにおいても抑制機能を持つ誘導型Treg(iTreg)が誘導できる。このため、本研究では、制御性T細胞の分化誘導を促進させる生理活性物質を網羅的に解析し、これらの物質のヒト制御性T細胞の分化誘導における役割と機序を解明することを目的とする。まず最初に、生理活性脂質や核内受容体リガンドなどのライブラリーから、Foxp3の発現が増強する物質をスクリーニングし、14種類得た。これらのうち、PPARalhaおよびgammaアゴニストのヒトTregの分化誘導機序について解析した。方法として、PPARalphaおよびgammaアゴニストを添加したiTregのFoxp3発現およびサイトカイン量、抑制試験、Foxp3プロモータ領域のメチル化などを検討した。その結果、nTregに対しては、PPARalphaおよびgammaアゴニストを添加しても、Foxp3の発現増強や抑制機能の増強は起こらなかった。一方PPARalphaおよびgammaアゴニストとTGF-betaで誘導したiTregは、Foxp3が高発現で維持され、抑制機能を持った。これはFoxp3プロモータ領域の脱メチル化の促進によることを見出した(論文作成中)。他の物質についても検討中である。
|