2009 Fiscal Year Annual Research Report
喘息感受性の候補遺伝子TSLPとSNPsによる発現調節
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21591290
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
原田 通成 The Institute of Physical and Chemical Research, 免疫制御研究グループ, 研究員 (20333487)
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Keywords | TSLP / 遺伝子多型 / SNPs / 気管支喘息 / 相関解析 / 重症度 / アレルギー疾患 / 呼吸機能 |
Research Abstract |
気道感染症が気管支喘息発症を高める原因の一つとして強く示唆されている。TSLPはアレルギー発症に重要なサイトカインであるが、申請者は感染刺激による気道上皮細胞のTSLP遺伝子の発現とその転写制御のメカニズムを解明してきた。 本研究では、TSLP遺伝子の多型と喘息発症との関連、そのメカニズムを明確にすることを目的とする。また、TSLP遺伝子多型と気管支喘息薬の治療効果の関連も明らかにしたい。 すでにTSLP遺伝子領域の全SNPの同定を行っており、TSLP遺伝子領域の詳細な連鎖不平衡マップを作製済である。相関解析を行うにあたってgenotypingに必要なマーカーSNPsも選択済である。本年度は主にTSLP遺伝子多型と疾患関連の相関解析を行った。さらに、臨床情報と患者サンプルの多型間の関連も調査を行った。 1)気管支喘息の発症とTSLP多型 ・収集済の小児ならびに成人気管支喘息患者(それぞれ530名と460名)の検体と対照検体について疾患-対照相関解析の本試験をおこない、小児ならびに成人喘息と極めて高い相関のあるSNPを見いだした。 ・今後は多型間の関連を検討していく予定である。 2)喘息重症度とTSLP多型 呼吸機能、血中IgE濃度、好酸球数、重症度等の臨床データを用いて被検者サンプルの統計処理を終了した。呼吸機能の改善率(ΔFEV1.0%など)とTSLP遺伝子多型の関連をトレンド解析を用いて行った。予備検討の結果では成人喘息での呼吸機能に関連するTSLP遺伝子多型を見出した。一方、血中IgE濃度、好酸球数、重症度等の臨床データと相関する多型は認められなかった。
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