2009 Fiscal Year Annual Research Report
中和単クローン抗体パネルを用いたAIDSワクチン開発
Project/Area Number |
21591295
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
松下 修三 Kumamoto University, エイズ学研究センター, 教授 (00199788)
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Keywords | ウイルス / 感染症 / 内科 / 免疫学 |
Research Abstract |
中和抗体パネルを用いた、gp120の構造変化の誘導と免疫実験 gp120はその柔軟性によって、レセプターとの相互作用で大きく構造を変えることから、ワクチン候補としてgp120単量体で免疫しても中和エピトープが認識されないと考えられている。我々は、我々が開発した抗体のパネルの中にgp120の構造を変化させ、別の中和単クローン抗体の中和感受性を著しく増強する抗体0.5δを見出した。本年度はgp120と0.5δの複合体をウサギに免疫し中和抗体を誘導した。コントロールとしてはgp120+コントロール抗体でウサギを免疫し、得られた抗血清を用いた。これらのウサギより得られた抗血清、および精製抗体の両方にSF162に対する中和抗体が誘導されていたが、gp120+0.5δで免疫したウサギの抗体は、コントロールの10倍以上の活性を示した。一方、米国NIAIDが供給する世界標準臨床株パネルのウイルスは、両方の血清ともに中和できなかった。現在、gp120の立体構造を変化させて、中和抗体の感受性を増強させる化合物NDB-556の低毒性誘導体とgp120をin vitroで反応させた後にウサギに免疫する研究を行っている。'いかにして強力で、交差反応性の強い中和抗体を得るかの研究は手探りの状況であり、今後も、抗体やNBD誘導体とgp120の複合体形成の至適条件を見出すために、基礎研究を重ね、ウサギなどの小動物に中和抗体の誘導を試みていく必要がある。誘導された抗体に関しては、臨床分離株を含めた各種ウイルスに対する中和抗体価と交差中和活性を検討する。また、3量体を形成するように作られたgp140の蛋白発現系を確立し、エンベロープ3量体レベルでの立体構造変化を検討し、ワクチン候補としての検討を開始する。
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Research Products
(16 results)