2009 Fiscal Year Annual Research Report
CD1,NKT細胞を介したプロバイオティクスの腸管免疫賦活作用の検討
Project/Area Number |
21591301
|
Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
松本 哲哉 Tokyo Medical University, 医学部, 教授 (10256688)
|
Keywords | 腸管免疫 / 腸内細菌 / プロバイオティクス / CD1d / NKT細胞 / germ-free / bacterial translocation / 緑膿菌 |
Research Abstract |
NKT細胞はT細胞,B細胞,およびNK細胞に次ぐ第4のリンパ球として注目を集めている細胞で,抗原提示細胞上のCD1d分子によって糖質や脂質などの抗原を提示されて活性化を受ける.NKT細胞の作用が発揮できないCD1dノックアウトマウスでは肺からの緑膿菌のクリアランスが有意に低下することが明かとなっている.一方、プロバイオティクスは生体に有利に作用する乳酸菌などであり、最近では単なる整腸作用だけでなく生体の免疫を活性化し、感染抵抗性を高める作用についても注目を集めている。そこで本研究では,プロバイオティクスが消化管の粘膜免疫に作用する際にCD1dおよびNKT細胞を介した作用の有無について検討することを主たる目的としている.まず今年度においては、CD1dおよびNKT細胞の腸管内フローラに与える影響について検討を行った。その結果、CD1dノックアウトマウスにおける空腸、回腸内では緑膿菌の定着の程度が増すことが明らかとなった。さらにNKT細胞を活性化させるαガラクトシルセラミドを投与した結果、マウスの腸管内の緑膿菌および大腸菌の菌数は有意に低下していた。さらにCD1dノックアウトマウスでは腸間膜リンパ節への大腸菌の腸管からのトランスロケーションも有意に上昇していた。これらの結果から、腸管内のCD1dおよびNKT細胞が腸管内フローラに大きな影響を与えていることが示唆された。
|
Research Products
(6 results)