2011 Fiscal Year Annual Research Report
CD1,NKT細胞を介したプロバイオティクスの腸管免疫賦活作用の検討
Project/Area Number |
21591301
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
松本 哲哉 東京医科大学, 医学部, 教授 (10256688)
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Keywords | 腸管免疫 / 腸内細菌 / bacterial translocation / 免疫不全 |
Research Abstract |
bacterial translocationは腸管に存在する菌がなんらかの原因によって腸管外に侵入し、宿主が免疫不全状態の場合には菌血症や敗血症に進展する場合がある。bacterial translocationの原因にはさまざまなものが挙げられるが、消化管自体の病変もそのひとつと考えられる。そこで今回、マウスを用いた炎症性腸疾患の系で、腸管からの菌の侵入について検討を行った。腸炎の作成はマウスに経口的にDextran sulfate sodium(DSS)を投与し,腸炎の重症度の評価は経過観察中の体重変化や下血の程度等を用いて行った.またbacterial translocationの評価は腸間膜リンパ節など各種臓器を採取し,培養を行った。その結果、5%DSSを連日7日間投与することにより,著明な下血,体重減少,生存率の低下が起こることが確認された。しかしSPFマウスではbacterial translocationを確認することが困難であったため、高い頻度で起こしやすい緑膿菌の菌株を腸管内に定着させて状態で検討を行った。しかし残念ながらマウスの生存率の低下は認めたものの,bacterial translocationは一部のマウスに確認されたのみであった。さらにCyclophosphamideを用いて免疫不全状態を誘導し検討を行った。その結果、一部のマウスでE.coliのbacterial translocationが確認されたものの,その頻度は低率であった。これらの結果から,炎症性腸疾患モデルにおける腸管内の菌の深部への侵入は必ずしもその頻度は高くなく、免疫抑制状態に腸炎を併発した状態においてもその頻度が極端に増加するわけではないことが明らかになった。
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Research Products
(4 results)