2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21591304
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
宮下 修行 Kawasaki Medical School, 医学部, 講師 (50278917)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾内 一信 川崎医科大学, 医学部, 教授 (80351899)
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Keywords | マイコプラズマ / 肺炎クラミジア / 迅速診断 / 簡易診断 / 遺伝子診断 / 抗体検出法 |
Research Abstract |
マイコプラズマおよび肺炎クラミジアの精製抽出菌体を使用したイムノクロマトグラフィー法を開発した。本法はIgM抗体を定性的に検出する方法で、5分以内に判定可能な迅速性を主目的とし、かつ実地医療で使用可能な簡便性を兼ね備えている。特異性の検討では、クラミジアの他菌種(Chlamydia psittaci, Chamydia trachomatisなど全9種)や百日咳菌、呼吸器病原体ウイルス(サイトメガロウイルスなど)のIgM抗体陽性血清に交差反応を示さず、高い特異性が確認された。再現性の検討では、既存のマイコプラズマ、肺炎クラミジアIgM陽性検体、陰性血清検体を使用し、各々10回の測定で高い再現結果が得られた。また、経時的に採取されたマイコプラズマ肺炎と肺炎クラミジア肺炎症例の血清を使用しELISA法と比較したが、いずれの症例でも同様の抗体推移を示し、本検査法の有用性が示唆された。 一方、サーマルサイクラーなど特別な機器を必要としない遺伝子アッセイ系-LAMP(loop-mediated isothermal amplification)法も確立した。精製菌体を対象とした基礎検討では、real-time PCR法と同等の感度で、菌量が多い場合15分以内で検出可能であった。特異性の検討では、マイコプラズマやクラミジア、主要な呼吸器感染症病原体に交差反応を示さず、高い特異性が確認された。さらに再現性の検討でも、高い再現結果を確認した。今後は急性呼吸器感染症患者を対象に本検査法の臨床検討を行い、さらに臨床像から迅速かつ簡便に非定型肺炎を診断する方法を模索していく予定である。
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