2011 Fiscal Year Annual Research Report
生体におけるリン調節機構の解明と遺伝性低リン血性くる病の新たな治療法の開発
Project/Area Number |
21591308
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤原 幾磨 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (10271909)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
箱田 明子 東北大学, 病院, 医員 (70509398)
菅野 潤子 東北大学, 病院, 医員 (30509386)
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Keywords | 低リン血性くる病 / FGF23 / DMP1 / リン調節機構 / 骨代謝 |
Research Abstract |
米国デンバーで開催された米国骨代謝学会(平成21年9月)において、J.Q.Feng教授(米国Baylor大学)およびM.K.Drezner教授(米国Wisconsin大学)と研究内容について協議を行った。Feng教授によると、我々が計画していた骨芽細胞特異的DMP1トランスジェニックマウス(DMP1-Tg)と、低リン血性くる病モデルマウス(hypマウス)とを交配させたDMP1-Tg/hypにおいて、低リン血症は改善されないとの結果を得たとのことであった(未発表データ)。このFeng教授らが行った実験内容は、我々が当初計画していたものと全く同様であり、計画通り研究を進める意義は少ないと考えた。 この結果を踏まえ、研究の方向性を再考することとし、DMP1-Tgマウスの骨芽細胞におけるFGF23の発現、および同マウスの血清FGF23濃度の測定を行うことを考えた。すなわち、以下のような実験内容である。DMP1-Tgマウス及びhypマウスの長管骨よりBMSC(骨髄ストローマ細胞)を採取、細胞培養を行い、培養液にβ-glycerophosphate、アスコルビン酸を加えることにより、BMSCから骨芽細胞への分化を誘導する。2週間培養後、total RNAを抽出、培養骨芽細胞におけるFGF23の発現をreal time RT-PCRにて半定量的に評価する。また、上記マウスから心臓穿刺により血液を採取し、血清FGF23濃度をELISAキットにて測定、血清リン濃度との関連を検討する。これらの実験により、生体のリン調節機構におけるDMP1とFGF23との関連性が、ある程度解明できるものと考えられた。 しかし、DMP1-Tgマウスの米国からの輸入手続きをはじめ、計画通りに研究が進まず、実質的な成果を上げることはできなかった。
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Research Products
(1 results)