2011 Fiscal Year Annual Research Report
骨形成不全症の遺伝的背景の解明:遺伝子型によるオーダーメード治療への展開
Project/Area Number |
21591309
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菅野 潤子 東北大学, 病院, 医員 (30509386)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
呉 繁夫 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10205221)
藤原 幾磨 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (10271909)
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Keywords | 骨形成不全症 / ビスフォスフォネート / COL1A1 / COL1A2 / LEPRE1 / CRTAP |
Research Abstract |
<目的>日本人骨形成不全症患者の遺伝的背景の解明と各遺伝子型と表現型とビスフォスフォネートによる治療効果との関係についての検討く対象>日本人骨形成不全症の患者、20家系22名(男性9名、女性13名)。年齢2歳から19歳、平均11.8歳。<方法>対象患者DNAを抽出後、COL1A1、COL1A2の直接シークエンス法による遺伝子解析。病歴や骨代謝マーカーによる表現型とビスフォスフォネートによる治療効果との関係についての検討。<結果>20家系中14家系において、遺伝子変異を認めた。COL1A1では8家系に変異を認め、変異の内訳はミスセンス変異4家系、ナンセンス変異2家系、フレームシフト変異2家系であった。COL1A2では、6家系に変異を認め、いずれもミスセンス変異であった。同定された患者は全て、ヘテロ接合体であった。グリシンがセリンに代わる変異が最も多かった。セリンに代わる変異は、ナンセンス変異よりも表現型が重度であった。コラーゲンのα2鎖のC端に近い変異の患者は脳内出血を合併していた。ビスフォスフォネート治療前の骨密度は、平均で-5.13SDと著しく低下していた。6カ月間のビスフォスフォネート治療にて、骨密度は平均1.51SD上昇していた。セリンに代わる変異を認めた患者において、COL1A2ではC端に近い変異ほど重症であったが、COL1A1ではその傾向は認めなかった。ビスフォスフォネート治療前後で骨吸収マーカーのNTx、骨形成マーカーのBALPは何れも減少していた。<考察>COL1A1、COL1A2の直接シークエンス法による変異陽性率は過去の日本の報告より高く、欧米の報告より低かった。直接シークエンス法で検出されない変異や、他の遺伝子の関与が示唆されるため、COL1A1、COL1A2のMLPAとLEPRE1、CRTAPの変異検索も行い、最終的な検討を行う予定である。
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