2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21591310
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
高橋 勉 秋田大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20270845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 篤子 秋田大学, 医学部, 助教 (70400497)
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Keywords | 細胞内脂質輸送 / リピドーシス / スフィンゴミエリン / コレステロール |
Research Abstract |
生体反応における脂質メディエーターの役割が注目されている。小児病態(虚血低酸素、炎症、脂質輸送)における細胞内脂質スフィンゴミエリン/コレステロール輸送代謝に関わる2つの因子、1)酸性スフィンゴミエリナーゼ(Acidsphingomyelinase=ASM)、2)NPC1/NPC2蛋白、の研究を行った。新生児虚血性低酸素性脳障害ラットモデルの障害組織に対する解析では、組織障害部位でのASM活性化が確認されASMの病態への関与が示された。虚血性低酸素性脳障害への治療薬を試み組織障害の程度の軽減が観察され、ASM活性化の程度も相関し、ASM活性化の調節が組織障害のコントローに繋がる可能性を示し、今後の課題となった。未熟児慢性肺障害のラットモデルを妊娠ラットに対してLPS腹腔内投与を行い作成しようと試みたが成功に至らなかった。そのため肺胞マクロファージとして確立した培養細胞を用いた解析に変更した。すなわち肺胞マクロファージにLPS刺激を加えた場合のASM酵素の活性化の関係を詳細に調べた。その結果、LPS刺激に対するASM活性化の関与が示され、未熟児肺障害における肺胞マクロファージ由来のASMの病態への関与が示唆された。最近、ASM活性抑制剤の開発が行われ、種々の薬剤が知られるようになってきたが、それらの薬剤を用いた小児病態の研究が今後の課題である。LDLコレステロール由来コレステロール輸送に関して、NPC1機能低下状態でASM活性量がコレステロール輸送量調節に関与することを示した。すなわち、ASM活性の活性化効果のある酪酸を用いた実験で、ASM活性を酪酸で上昇させNPCI機能低下状態でライソゾーム/後期エンドゾームに蓄積したコレステロールを減少させることに成功した。今後、細胞内脂質輸送調節機序として研究を進めて行きたい。
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