2009 Fiscal Year Annual Research Report
線維芽細胞成長因子23を鍵分子とする代謝性骨疾患の診断・病態解析
Project/Area Number |
21591319
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大薗 恵一 Osaka University, 医学系研究科, 教授 (20270770)
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Keywords | リン / カルシウム / FGF23 / klotho / 骨 / ビスフォスフォネート / 臍帯血 |
Research Abstract |
小児ビタミンD欠乏症研究会を組織し、全国小児科研修施設535カ所に2003-2007年の5年間での小児ビタミンD欠乏症の診療の経験の有無をアンケート調査した。48%の施設より回答があり、ビタミンD欠乏症の経験は、全体の16%の施設(86施設)で、合計531例の経験数が報告された。そのうちくる病を呈していたのは52%であった。また、61%の施設で、ビタミンD欠乏症の診断のために血清25位水酸化ビタミンDの測定を行っていた。さらに詳しい症例の把握のため、2次調査を行っている。臍帯血中のFGF23濃度は、成人に比し低く、可溶型Klothoの濃度は高かった。この結果は、胎児の血清リン値が成人に比し高値であることと関連しているものと考えられた。また、胎盤の合胞体栄養膜細胞でのKlothoの発現を確認し、このことが臍帯血での可溶型Klothoの高値の原因ではないかと考えられた。血清FGF23を42名(延べ61検体)および250HDを20名(延べ25検体)において測定し、ビタミンD欠乏時にFGF23値は低値となると言う申請者らの結論が裏付けられた。FGF23のシグナルをErkのリン酸化、Egr遺伝子の誘導を指標として検討した結果、可溶型KlothoがFGF23のシグナルを伝達するという明確なデータは得られなかった。骨形成不全症の患者に対し、ビスフォスフォネートを投与するとFGF23値が減少するというデータを論文の形にまとめたので投稿する予定である。
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Research Products
(4 results)