2011 Fiscal Year Annual Research Report
探索医療に基づく甲状腺ホルモントランスポーターの細胞特異的機能の解明
Project/Area Number |
21591320
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
難波 範行 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (10379076)
|
Keywords | トランスレーショナルリサーチ / 甲状腺ホルモントランスポーター / 成長軟骨 / 成長障害 / 乏突起膠細胞 |
Research Abstract |
軟骨細胞における甲状腺ホルモントランスポーター発現の網羅的検討と機能解析 甲状腺ホルモン(TH)に特異的なトランスポーターMCT8の欠損により発症するAllan-Herndon-Dudley症候群では,通常の甲状腺機能低下症の患児と比較して,成長は比較的良好である。したがって,成長軟骨ではMCT8以外のTHトランスポーターが機能していると考えられる. 我々はこれまで,マウス軟骨前駆細胞株ATDC5を用い,THトランスポーターのmRNA発現を網羅的に解析し,THに親和性の高いトランスポーターではMCT10の発現が最も高いこと,同時に,必ずしもTHとの親和性は高くはないが,THの細胞内取り込みの可能性が示されているトランスポーターではLAT1の発現量がMCT10以上に多いことを明らかにした.siRNAを用い,ATDC5細胞でMCT10 mRNAをノックダウンしたところ,THの細胞内取り込み,およびTHの作用(細胞増殖抑制,細胞分化促進)は抑制された.以上より,未分化のATDC5細胞ではMCT10が主要なTHトランスポーターとして機能していることが示唆された. 一方,LAT1の関与の可能性,また,実際に成長軟骨でMCT10が発現・機能しているのかは不明である.そこでまずATDC5細胞にLAT1阻害剤を添加したところ,アミノ酸含有培養液中ではTH取り込みに変化は認められず,LAT1の関与は少ないと考えられた.また,E18マウス胎仔の成長軟骨を用い,in situ hybridizationでMCT10,MCT8の発現を検討したところ,未分化の軟骨細胞ではMCT10の発現が強く,MCT8の発現は弱いが,分化が進むにつれて発現量は逆転することが明らかになった.以上より,in vivoにおいてもMCT10が少なくとも軟骨分化の初期において機能している可能性が示唆された.
|
Research Products
(4 results)
-
-
[Presentation] 成長と骨2011
Author(s)
難波範行
Organizer
宮崎小児内分泌講演会
Place of Presentation
宮日会館(宮崎)(招待講演)
Year and Date
2011-10-28
-
-