2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21591322
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
酒井 規夫 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (30314313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷池 雅子 大阪大学, 連合小児発達学研究科, 教授 (30263289)
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Keywords | I-cell病 / GlcNac-phosphotranspherase / リソソーム病 / 病態解析 |
Research Abstract |
今年度は、mucolipidosisの細胞レベルでの変異蛋白、蓄積物質、エンドサイトーシスについて解析を行なった。 1) 原因酵素GlcNAc-phosphotranspheraseのα鎖、β鎖、γ鎖に対するポリペプチド抗体を作成し、患者ごとの蛋白レベルをペプチドごとにWestern blotで解析を行なったが、ミスセンス変異がα鎖、β鎖のどこにあるかでそれぞれの、あるいはγ鎖の定量的な変化を解析したが、蛋白レベルが低く明らかな量的な変化を同定することはできなかった。 2) 今後治療実験を行なうためにも、患者細胞における蓄積物質を定量するために、ムコ多糖、脂質、コレステロールの蓄積をELISA法、filipin染色などを用いて行ない、培養状態にも依存するが、mucolipidosis II型ではヘパラン硫酸、コレステロールなどが正常に対し2-4倍程度増加しており、III型ではその蓄積量はやや軽度であることが判明した。 3) ライソソーム膜は、細胞膜とも共通でエンドサイトーシスで取り込まれた細胞膜がリソソームに移行したりしているが、この流れを疾患細胞で調べるために、マンノースリン酸受容体の抗体を用い、細胞膜が取り込まれてどのくらいの周期でライソゾームやエンドソームに移動しているかを調べた。取り込まれた抗体の動きを調べることにより、患者細胞では膜の流れが停滞していることが判明した。 これらの情報はmucolipidosisの細胞内病態を新たに解明したことになり、今後治療実験を行なう上で、昨年行なったオートファジーの異常と合わせて重要な評価パラメーターと考えられる実験結果である。
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Research Products
(4 results)