2009 Fiscal Year Annual Research Report
小児急性散在性脳脊髄炎、多発性硬化症の病因・病態解析と診断マーカーの探索
Project/Area Number |
21591326
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉良 龍太郎 Kyushu University, 大学病院, 特別教員 (70304805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥巣 浩幸 九州大学, 大学病院, 助教 (10398076)
實藤 雅文 九州大学, 大学病院, 助教 (50467940)
石崎 義人 九州大学, 大学病院, 助教 (20572944)
李 守永 九州大学, 大学病院, 助教 (10529796)
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Keywords | 急性散在性脳脊髄炎 / 多発性硬化症 / 小児 / 診断 / マーカー / 病因 / 病態 |
Research Abstract |
2007年にIPMSSGから提唱された小児多発性硬化症(MS)とその類縁疾患である急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、clinically isolated syndrome(CIS)等の疾患定義に基づいて全国調査を行い、本研究では集積した症例の臨床情報を解析した。また同時にインフォームドコンセントを得た上で血液、尿、髄液を採取し、各検体の保存を行った。これまでに報告された多くのADEMの症例調査はIPMSSG定義に基づいていないため、今回の調査結果との厳密な比較はできないが、他の報告ではADEMにおける視神経炎の合併頻度が12-23%あるのに対し、今回の調査では7%であり、他国の調査と比べ視神経炎の頻度が少ない傾向にあった。ADEMの年齢分布、性別、先行感染や発熱、頭痛などの頻度や視神経炎以外の臨床症候はこれまでの報告と明らかな違いはなかった。IPMSSGではCISをMSの初発症状と捉え、ADEMと区別することでMSへの移行を早期に発見することを目標としている。今回の解析で見出された、ADEMに比べてCISで臨床症候あるいは後遺症として視力障害が多いという特徴は、小児MSおよび類縁疾患の診断マーカーの開発に役立つ可能性がある。
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Research Products
(2 results)