2010 Fiscal Year Annual Research Report
母乳ガングリオシドとシアル酸含有多糖類の生理作用:神経細胞分化への影響
Project/Area Number |
21591328
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
泉 達郎 大分大学, 医学部, 教授 (80119891)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
是松 聖悟 大分大学, 医学部, 教授 (60264347)
末延 聡一 大分大学, 医学部, 准教授 (30253785)
前田 知己 大分大学, 医学部, 准教授 (80264349)
秋吉 健介 大分大学, 医学部, 助教 (70305043)
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Keywords | 母乳 / ガングリオシド / シアル酸含有多糖類 / 神経細胞分化 / 脳の発達 / 母乳ガングリオシドの脳移行と生合成 |
Research Abstract |
母乳は新生児乳児期の主要エネルギー源として身体発育や脳の発達に重要な役割を持ち、母乳児の方が人口調製粉乳児より、新生児乳児期以降の認知能の発達が促進しているとの報告が散見される。ただ、これらは統計的手法に基づく検討であり、神経生化学や病理学所見に基づく証明はなされていない。CD3はヒト母乳初乳と未熟な脳神経系に共通する主要ガングリオシドであり、シアル酸含有多糖類が両者に存在する事も指摘されている。この母乳中GD3とGM3が新生児乳児の大脳神経系の発達に直接関与しているかを^<14>C-GD3と^<14>C-GM3の消化管からの吸収、移行実験、大脳内でのより複雑なガングリオシドへの生合成、即ち、GM1やGD1aなどの複雑なガングリオシドへの転換、シアル酸含有多糖類の神経細胞への移行率の差異を検討し、脳神経系の分化、発育への作用と脳の発達により適した人工調整粉乳開発の予備研究とする。ただ、^<14>GD3と^<14>C-GM3は市販のものがなく、当研究室で合成する必要があり、合成の準備、合成の時間を要した。^<14>C-GD3と^<14>C-GM3を合成、精製した後、それぞれを新生児仔ラットの胃内に投与し、大脳への移行と大脳内におけるより複雑なガングリオシドGM1、GD1a、GD1b、GT1b、GQ1b等への生合成の推移と、それぞれのガングリオシドの生合成率の差異、大脳神経系内への分布を脳超薄切片をautoradiogaraphyにて神経病理学的に検討している。妊婦ラットより出生した、日齢が正確な新生仔ラットの生後1日目より、哺乳にて乳白色に拡大した胃内へ^<14>C-GD3あるいは^<14>C-GM3をそれぞれ、注射器を使用して直接、正確に適正量を投与して検証したが、投与日の検討も必要である。本年度はヒト早産、妊婦23-28週、早産母乳のガングリオシドの経時的推移を検討し報告した(Nutrition, 2011, in press)。
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Research Products
(7 results)