2010 Fiscal Year Annual Research Report
シトリン欠損症における糖質毒性の機構と病態指標同定に基づく治療法の開発
Project/Area Number |
21591337
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
佐伯 武頼 徳島文理大学, 健康科学研究所, 教授 (10056070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 圭子 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (70108869)
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Keywords | アスパラギン酸・グルタミン酸ミトコンドリア膜輸送体 / エタノール / グリセロール / glycerol3-phosphate / シトリン欠損症 / 成人発症II型シトルリン血症(CTLN2) / NICCD |
Research Abstract |
申請者らはシトリン欠損症の病因遺伝子単離、欠損たんぱく質機能解明、疾患モデル確立と、独創的な研究を行ってきた。本研究の目的は、マウスモデルを用いてシトリン欠損症における病態形成に関わる糖質毒性の機構を解析し、その適切な病態指標を発見し、内科的治療法を確立することにある。本研究では、シトリン欠損症のほぼすべての症状は、糖質の毒性に起因すると想定し、疾患モデルマウスを用いて、糖質毒性が発揮される機構と糖を忌避する機構を、肝臓代謝分析によって解明し、「真の病態指標」を明確にし、現在、薬効が期待される物質(治療候補薬)がそれら代謝における「真の指標」にどのような影響を与えるかを解明し、治療法を開発確立することを目指している。 本年度は、ショ糖投与による肝臓代謝の病態を、GC/MS、CE/MS、LC/MS、ならびに酵素法を用いて、メタボローム解析を行い、以下の特徴を明らかにし、それに対するピルビン酸ナトリウムの治療効果を明快にした。特徴は、(1)解糖系中間体、glycerol3-phosphateの著しい増加、(2)尿素サイクル中間体、シトルリンの顕著な増加、(3)TCAサイクルメンバーの減少、(3)各種のアミノ酸の変化、であった。ピルビン酸ナトリウムはこれらの変化をすべて解消した。 以上の結果はシトリン欠損症における肝臓代謝の異常を明らかにし、ピルビン酸ナトリウムの治療への応用の基礎的根拠を提供するものである。
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[Journal Article] Genotypic and phenotypic features of citrin deficiency : Five-year experience in a Chinese pediatric center.2011
Author(s)
Song YZ, Deng M, Chen FP, Wen F, Guo L, Cao SL, Gong J, Xu H, Jiang GY, Zhong L, Kobayashi K, Saheki T, Wang ZN.
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Journal Title
Peer Reviewed
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