2011 Fiscal Year Annual Research Report
シトリン欠損症における糖質毒性の機構と病態指標同定に基づく治療法の開発
Project/Area Number |
21591337
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
佐伯 武頼 熊本大学, 生命資源研究・支援センター, 特任教授 (10056070)
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Keywords | アスパラギン酸・グルタミン酸ミトコンドリア膜輸送体 / glycerol-3-phosphate / マウスモデル / 成人発症II型シトルリン血症(CTLN2) / 新生児肝内胆汁うっ滞症(NICCD) / シトリン欠損症 |
Research Abstract |
申請者らはシトリン欠損症の病因遺伝子単離、欠損たんぱく質機能解明、疾患モデル確立と、独創的な研究を行ってきた。本研究の目的は、マウスモデルを用いてシトリン欠損症における病態形成に関わる糖質毒性の機構を解析し、その適切な病態指標を発見し、内科的治療法を確立することにある。本研究では、シトリン欠損症のほぼすべての症状は、糖質の毒性に起因すると想定し、疾患モデルマウスを用いて、糖質毒性が発揮される機構と糖を忌避する機構を、肝臓代謝分析によって解明し、「真の病態指標」を明確にし、現在、薬効が期待される物質(治療候補薬)がそれら代謝における「真の指標」にどのような影響を与えるかを解明し、治療法を開発確立することを目指している。これまでに、糖質投与時に肝内の代謝物異常をメタボローム解析によって解明し、病態指標としていくつかの候補を得てきた。本年度は、シトリン欠損症の発症原因である高濃度のグリセロールおよびエタノールの摂取をモデルマウスは嫌うこと、強制投与によって肝内ではglycero1-3-phosphateが最も明らかな変化を起こす代謝物であることを明らかにし、さらに糖質が多く、たんぱく質の少ない合成食AIN-93Mの投与はモデルマウスの食餌摂食量と体重を減少させること、たんぱく質、アミノ酸(アラニン、グルタミン酸)、ピルビン酸ナトリウム、ならびに中鎖脂肪酸からなるトリグリセリド(MCT)の添加は、食餌摂取量と体重の増加をもたらすことを見出し、これらがシトリン欠損症治療薬になりえることを示した。
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[Journal Article] Genotypic and phenotypic features of citrin deficiency : five-year experience in a Chinese pediatric center2011
Author(s)
Song YZ, Deng M, Chen FP, Wen F, Guo L, Cao SL, Gong J, Xu H, Jiang GY, Zhong L, Kobayashi K, Saheki T, Wang ZN
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Journal Title
Int J Mol Med
Volume: 28(1)
Pages: 33-40
DOI
Peer Reviewed
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