2010 Fiscal Year Annual Research Report
包括的な生物学的指標を用いた発達障害児の病態解明・治療法に関する研究
Project/Area Number |
21591338
|
Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
松石 豊次郎 久留米大学, 医学部, 教授 (60157237)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 尚昌 久留米大学, 高次脳疾患研究所, 助教 (00454918)
山下 裕史朗 久留米大学, 医学部, 准教授 (90211630)
森田 喜一郎 久留米大学, 高次脳疾患研究所, 教授 (20140642)
石橋 正敏 久留米大学, 医学部, 教授 (20168256)
|
Keywords | 小児科学 / ストレス / 睡眠 / 神経伝達物質 / 脳機能イメージング / 発達障害 / 摂食障害 |
Research Abstract |
注意欠陥多動性障害(ADHD)、高機能自閉症、アスペルガー障害等の、従来、軽度発達障害と理解されていた症候群は有病率も高く、しかも高頻度に学習障害、不登校、摂食障害などの併存症、および精神上の問題もおこしやすいので医学-教育-福祉上で重要である。しかし、その病因・病態は不明な点も多く、治療・早期介入に役立つ基礎的-臨床的研究は急務である。非侵襲的機能画像によるアイマークレコーダー、近赤外線トポグラフィー等を用いた、乳幼児・学童の課題遂行(Task 時)の脳血流・代謝、情報処理等の解析をおこない、更に唾液を用いたコーチゾール、MHPG,IgA測定を施行しストレス、免疫、神経伝達物質の評価も進め多くの成果が得られた。まず小学生、中学生、思春期の健常児で、アイマークレコーダーを用いて17人の正常学童で基準値を確立し、高機能自閉症、アスペルガー障害児で課遂行時の視線総距離、停留点総数、平均停留等をアスペルガー障害児12名、若年発症の統合失調症12名で解析を終了し、興味あるデータが得られ投稿予定である。更に、アスペルガー障害児20名を、統合失調症20名、健常学童20人と比べて解析し、国際誌に発表準備中である。早期発症の神経性食思不振症(AN,平均年齢13.2歳)10人でSPMの手法を用いて、治療前後の脳血流、代謝の変化、治療前後のBMIの変化との相関を調べ、両側頭頂葉、後部帯状回、および右視床等が神経回路として重要である事を報告した。また、唾液を用いてストレス反応を評価するため、コーチゾールの分泌動態をELISAキットを用いて測定系を確立し、コーチゾールの早朝覚醒反応、1日の分泌パターンを解析し、摂食障害児20名で解析する予定である。 また我々が日本での基準値を作成したStrength and Difficulties Questionnaire(SDQ)をスクリーニングとして用い、市内の1小学校を対象に、子どもの睡眠、CSHQ-Jとの関連を検討中である。
|