2011 Fiscal Year Annual Research Report
小児血液腫瘍性疾患に対する抗腫瘍効果のみを増強した新たな造血幹細胞移植療法の開発
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21591351
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
西村 良成 金沢大学, 附属病院, 講師 (50324116)
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Keywords | 造血幹細胞移植 / GVHD / GVT / CIK |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に引き続きIL-17がGVHDの病態にどのように関与しているかを検討した。IL-17ノックアウトマウス骨髄を用いて骨髄移植を行うと野生型マウスから骨髄移植を行う場合と比べGVHD、特に慢性のGVHDが発症しにくいことが判明した。この慢性皮膚病変(表皮、真皮の肥厚、肥満細胞の増多)からIL-17と肥満細胞との関連が推定された。現在、細胞欠損マウスと培養肥満細胞を輸注した群を比較検討している。一方、急性GVHDに関しては、IL-17欠損マウスをホストとした場合、GVHDが発症することが判明した。興味深い現象としてIL-17ノックアウトマウスをホスト側に設定すると急性GVHDが増悪することが判明した。本年度は、この病態解析に主眼をおいたが、病理学的には通常のGVHDの皮膚組織像に加えてマクロファージが増多していた。In vivoでのマクロファージの除去を行い、最終的にIL-17とマクロファージとの関連を証明中である。IL-17に関しては急性GVHDを抑制する方向に、慢性GVHDに関しては増悪方向に働くサイトカインであることが判明した。またCytokine induced killer細胞(CIK)に関しては、同種骨髄移植モデルに輸注しても急性GVHDが増悪しないが、それはCIK細胞によりGVHDのinitiatorとなる宿主側の樹状細胞が攻撃されることが関与していると判明した。
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