2010 Fiscal Year Annual Research Report
自己抗原特異的B細胞成熟分化段階におけるCD95誘導性細胞死システムの意義
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21591352
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
笠原 善仁 金沢大学, 保健学系, 教授 (30204366)
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Keywords | アポトーシス / CD95 / B細胞分化 |
Research Abstract |
生体内における未熟B細胞から形質細胞に至る抗体産生発達段階でのCD95誘導性細胞死システムの機能的役割と自己免疫性疾患の病態への関与を明らかにするために、CD95遺伝子変異による自己免疫性リンパ球増殖症候群(ALPS)や自己免疫性疾患においてナイーブ、メモリーB細胞やplasmablast、形質細胞などの細胞の、細胞表面形質、B細胞レパートワ解析、IgVH鎖CDR3領域解析、somatic hypermutationを比較検討することを目的とした。正常ヒトの感染症発症後4-7日後にかけ,CD19陽性CD20陰性の細胞亜群の増加が認められ,特に腸管感染症においてその増加が著しい傾向が認められた。この細胞亜群の細胞表面抗原発現を3-colorフローサイトメトリー法により解析すると、CD38陽性,IgD陰性,CD27、CD138一部陽性であり、メモリーB細胞、plasmablast、形質細胞を含む細胞であることが示唆された。時間経過とともにこの細胞亜群は末梢血から減少し消失することが確認され、さらにCD95陽性であることからこの細胞亜群においてはCD95誘導性細胞死が強く関わっていることが示唆された。自己免疫性疾患患者由来末梢血においても一部の症例にて感染症の存在がないにもかかわらず、この細胞亜群の増加が確認され、B細胞発達段階におけるCD95誘導性細胞死の機能異常が存在する可能性が示唆された。
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