2010 Fiscal Year Annual Research Report
分子標的療法を目指した難治性白血病におけるROSによる癌形質獲得の分子基盤の確立
Project/Area Number |
21591357
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
塩原 正明 信州大学, 医学部, 准教授 (00293514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂下 一夫 信州大学, 医学部, 助教 (10345746)
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Keywords | 活性酸素種 / リンパ性白血病 |
Research Abstract |
小児急性リンパ性白血病(ALL)におけるNADPHoxidase(Nox)5依存性に産生されるreactive oxygen species(ROS)の、癌形質獲得への関与を分子生物学的に証明するための基礎実験を行った。 (1)Nox5siRNAおよびコントロールsiRNAを導入したMT1/MT2細胞株の増殖能の比較検討 それぞれの細胞株を10%FCS存在下で48および96時間培養し、増殖能をMTTアッセイにより比較検討した。Nox5siRNA導入MT1およびMT2細胞株はコントロールsiRNAを導入細胞株に比し、培養48時間、96時間における細胞数は有意に少なかった。さらにCD3/CD28の結合ビーズ存在下での増殖を比較したところ、10%FCS存在下での場合と同様の結果が得られた。 (2)Nox5siRNAおよびコントロールsiRNAを導入したMT1/MT2細胞株におけるアポトーシスの比較検討 細胞株に抗酸化剤であるPDTCの添加によりアポトーシスを誘導させ、AnnexinVの発現をフローサイトメーターで観察することによりアポトーシスに陥った細胞割合を比較した。Nox5siRNA導入MT1およびMT2細胞株はコントロールsiRNAを導入細胞株に比し、有意にAnnexinVの発現細胞の割合が多かった。またウエスタン解析によりPARP断片化の観察でも同様の結果だった。 (3)HTLV-1の産生するTaxによるNox5の誘導能についての検討 HEK細胞にTax発現ベクターおよびNox5プロモーターをpGL3 basic vectorに導入したreporter constr uct(pGL3-Nox5)の遺伝子導入を行いレポーターアッセイでTaxによるNox5発現誘導につき解析した。Tax導入によりNox5プロモーター活性は約2倍に増加した。
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Research Products
(4 results)