2011 Fiscal Year Annual Research Report
未消化食物由来ペプチドによる食物アレルギーおよび炎症性腸疾患発症に関する検討
Project/Area Number |
21591372
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
大塚 宜一 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (90338335)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 俊明 順天堂大学, 医学部, 教授 (30260889)
永田 智 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (70266055)
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Keywords | Probiotics / 栄養療法 / 炎症性腸疾患 / 消化機能 / 食物アレルギー |
Research Abstract |
蛋白質は胃酸、膵酵素、刷子縁酵素の他、組織transglutaminaseや腸内細菌が有するペプチダーゼによりアミノ酸にまで分解され、栄養素として生体に吸収される。現代社会においては、食生活の変化や抗菌薬の普及により腸内細菌叢の変化が生じ、蛋白質が十分に消化されずにいる可能性が示唆される。さらに、その未消化産物の抗原特異性のあるペプチドが食物アレルギーを、また、抗原非特異的に免疫応答を誘導するペプチドが炎症性腸疾患の発症に関わっている可能性がある。 そこで、卵白やミルクをin vitroの系でトリプシン、キモトリプシン、エラスターゼなどのヒトの消化酵素で消化し、その最終消化産物のペプチドの抗原性を検討した。これらの酵素により、蛋白質は、すべてアミノ酸まで分解されないことがわかったが、Western blot上、明らかに対応するペプチドは同定できず、通常の消化過程においてはアレルギーの原因ペプチドは産生されにくいことが示唆された。 一方、消化管アレルギーおよび小児炎症性腸疾患の病態を解析する目的で、生検標本を用いRNAを抽出しmicroarrayを施行したところ、乳児消化管アレルギーにおいてCCL21,CXCL13が、また、小児炎症性腸疾患においてCXCL9の発現が亢進していた。以上の変化は、RT-PCR法を用い定量的に確認でき、免疫組織染色を用いた検討でも発現の亢進を認めた。 以上より、乳児期の消化管アレルギーでは、CCL21,CXCL13が、また、小児炎症性腸疾患においてCXCL9の関与が強いことが確認された。
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Research Products
(8 results)