2011 Fiscal Year Annual Research Report
ヒブワクチン導入前後のインフルエンザ菌莢膜遺伝子重複と抗体親和力の研究
Project/Area Number |
21591390
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
徳田 浩一 東北大学, 病院, 講師 (10518400)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西 順一郎 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (40295241)
|
Keywords | ヒブワクチン |
Research Abstract |
本邦では、2008年12月にインフルエンザ菌b型(Hib、ヒブ)ワクチンが開始されたが、主に1990年代に導入された西欧諸国では、近年vaccine failureが報告されており、これにはHib葵膜遺伝子capb領域の3コピー以上の重複による細菌側要因と、抗体のavidity低下による宿主側要因が関連するとされている。本邦においては、これらの要因に関してこれまで研究がなされておらず、我々のグループで、全身感染症(髄膜炎、敗血症など)を発症した小児患者から2004~2008年に検出されたHib24株について検討したところ、capb領域の3コピー以上の重複が4株(16.7%)で検出された。これはヒブワクチンを導入して間もない1990年代初頭の英国のデータ(10.1%)より高値であり、ヒブワクチン既接種者がまだ少ない本邦でも、vaccine failureに関連する要因を保有するHibが存在することが明らかとなり、論文として報告した。さらに今回の研究において、2011年までに検出された株も含めて、鹿児島県で発生したHib髄膜炎患者由来株牽対象にHib遺伝子のcapb領域の重複を調査したところ、ワクチン導入前後で増加傾向(2008年以前9.5%、2009年以降23.1%)が認められた。これは、本邦及び世界的に同様の報告のない、ワクチン計画において貴重な情報と考えられる。 今後、ワクチン導入によりvaccine failureに影響するHibが選択的に増加する可能性もあり、本邦のみならず世界的なワクチン計画上の課題として、これら2つの要因の継続的な調査と解析が必要と考えられる。
|
Research Products
(6 results)
-
[Journal Article] Quantitative analysis of biofilm formation of methicillin-resistant Staphylococcus aureus (MESA) strains from patients with orthopaedic device-related infections2011
Author(s)
Kawamura H, Nishi J, Imuta N, Tokuda K, Miyanohara H, Hashiguchi T, Zenmyo M, Yamamoto T, Ijiri K, Kawano Y, Komiya S
-
Journal Title
FEMS Immunology & Medical Microbiology
Volume: 63
Pages: 10-15
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-