2009 Fiscal Year Annual Research Report
ガンシクロビル耐性ヒトサイトメガロウイルスのUL97遺伝子変異に関する研究
Project/Area Number |
21591392
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
堤 裕幸 Sapporo Medical University, 医学部, 教授 (80217348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
要藤 裕孝 札幌医科大学, 医学部, 講師 (10404659)
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Keywords | サイトメガロウイルス / UL97遺伝子 / ガンシクロビル |
Research Abstract |
1983~2009年に札幌医科大学附属病院小児科および第一内科を受診した小児、及び成人から、サイトメガロウイルス感染が疑われてウイルス分離が試みられ、ウイルスが分離された例について、後方視的にカルテ等の調査を行った。ウイルス陽性例は全部で小児63名(0~16才)、成人5名(32~62才)、合計68例であり、それぞれ一株づつの68株が分離保存されていた。このうち59名は原発性、あるいは続発性の免疫不全状態は無かった。彼らは先天性サイトメガロウイルス感染症、サイトメガロウイルス単核球症、サイトメガロウイルス肝炎の診断を受け加療されていた。残りの9名は血液腫瘍疾患を有し、化学療法が施され、それによる免疫抑制状態のためにサイトメガロウイルスの再活性化による疾病が起こっていると考えられた。このうち5名がガンシクロビル(GCV)投与を受けていた。2007年までの分離保存されていたサイトメガロウイルス62株は組織培養による再分離を試みた。再分離できた株は感染細胞と培養液より、再分離できなかった株は保存液よりDNAを直接抽出した。2008年以降の6株は尿もしくは血液より直接DNAを抽出した。得られたDNAより、サイトメガロウイルスのガンシクロビル耐性に関係するとされるUL97遺伝子の618bp(コドン439-645)をPCRにて増幅を開始した。プライマーはCastorらの報告^<1)>に準じて設定した。平成22年度は全ての株のPCRによる増幅を終了させ、PCR産物よりダイレクトシークエンス法により遺伝子配列を決定し、laboratory stranであるAD169株の遺伝子配列を基準として遺伝子変異を解析する予定である。解析にはMEGA3.1を使用する予定である。 1) Castor J, etal : Rapid detection directly from patient serum samples of human cytomegalovirus UL97 mutations conferringganciclovir resistance. J Clin Micorobiol 45 : 2681-2683, 2007
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