2009 Fiscal Year Annual Research Report
マウスモデルを用いた臨床分離株解析によるRSV病原性発現の新たな機序の解明
Project/Area Number |
21591394
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
橋本 浩一 Fukushima Medical University, 医学部, 講師 (50322342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 優子 公立大学法人福島県立医科大学, 医学部, 講師 (60305357)
細矢 光亮 公立大学法人福島県立医科大学, 医学部, 教授 (80192318)
錫谷 達夫 公立大学法人福島県立医科大学, 医学部, 教授 (40196895)
川崎 幸彦 公立大学法人福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (00305369)
西村 秀 仙台医療センター, 臨床研究部, 室長 (50172698)
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Keywords | RSV / マウス / 動物実験 / 気道粘液 / 気道抵抗 / 臨床分離株 |
Research Abstract |
本年度はウイルスと宿主の関連について、ウイルス側、宿主側要因についてRSVマウスモデルを用いて検討し、同時に臨床分離株の確立、塩基配列の解析を行った。 (1) マウス感染実験。 IL-13/気道粘液産生誘導株(以下誘導株)と非誘導株を用いたRSVマウス感染実験では、Balb/cマウスヘ感染後、誘導株は非誘導株に比べ体重減少が著明であり、また安静時気道抵抗の上昇が遷延していた。さらに、感染14日目に行ったメタコリンチャレンジでは誘導株は非誘導株より気道過敏性が亢進していた。一方、RSV-A2実験室株をBalb/cマウス、C57BL/6マウス(C57BL/6N,C57BL/6J)に感染させ、感染4日目の肺でのウイルス増殖を比較するとC57BL/6マウスはBalb/cマウスに比べ少なく、C57BL/6Nマウスでは100分の1にまで減少していた。さらにPAS染色による気道粘液産生の病理組織学的検討ではC57BL/6NマウスでのみPAS染色陽性像が観察された。肺ホモジネートを用いた肺におけるIFN-γ産生の検討では、Balb/cマウスでは1848pg/mlであったのに対し、C57BL/6Nマウスでは37pg/ml、C57BL/6Jマウスでは85pg/mlであった。IL-13、IL-17についても同様に検討したが各群とも有意な差は認められなかった。 (2) 臨床検体からRSV分離および塩基配列決定。 RSV下気道炎患者からの臨床検体よりHEp-2細胞を用い新たに20株を分離した。現在、保有している臨床分離株約50株についてF遺伝子を中心に塩基配列を解析中である。
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