2011 Fiscal Year Annual Research Report
マウスモデルを用いた臨床分離株解析によるRSV病原性発現の新たな機序の解明
Project/Area Number |
21591394
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
橋本 浩一 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (50322342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 優子 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (60305357)
細矢 光亮 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (80192318)
錫谷 達夫 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (40196895)
川崎 幸彦 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (00305369)
西村 秀和 仙台医療センター, 臨床研究部, 室長 (50172698)
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Keywords | RSV / 臨床分離株 / 遺伝子解析 / 統計樹解析 / Th1 / Th2 |
Research Abstract |
本年度は臨床分離株の分離と前年度までのRSV臨床分離株の遺伝子解析を行った。 (1)臨床分離株の分離 RSV患児より得られた気道吸引物30検体から7株の臨床分離株を得た。 (2)RSV臨床分離株のTh2誘導遺伝子の解析 RSV標準株Long株、米国由来臨床分離株2株、RSV-Line19株、仙台医療センターで分離された17株、福島医大小児科で分離された30株、計52株についてLukacsらの報告(Am Jour Pathol 169,2006)に従い、RSV-Line19株に認められたRSVのF遺伝子の7箇所の変異を検討した。仙台および福島で分離された47株の内、RSV-Line19と同様のF遺伝子に7箇所全てに遺伝子変異を持つ株は認められなかった。しかし、米国由来の3株のうち、Th2を誘導した臨床分離株と同一の1か所のF遺伝子変異を持つ株が、2株認められた。この1か所のF遺伝子変異はRSV-Line19に認められる7つの遺伝子変異の1つである。また、7箇所の変異の内、最低1か所の変異を持つ株は6株あった。 (3)RSV実験室株、および臨床分離株の遺伝子系統樹解析 上記の52株についてG遺伝子をシークエンスし遺伝子系統樹解析を行った。BALB/Cjマウスを用いた感染系で異なる免疫反応が報告されている米国由来の臨床分離株2株は、Th2誘導するのはGA2であり、Th1誘導するのはNA2であった。また、宮城県(2004年-2007年)と福島県(2008年、2010年)の株は2007年以前はNA1株が優位であり、2008年はNA2株が優位となり、2010年は再びNA1株が優位になった。GA2は分離されなかった。NA1株、NA2株はGA2と折縁の株である。
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Research Products
(8 results)