2010 Fiscal Year Annual Research Report
チアノーゼ型心疾患モデル再灌流心筋の酸化ストレスに対するカルニチンの効果
Project/Area Number |
21591395
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
糸井 利幸 京都府立医科大学, 医学研究科, 准教授 (10264780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
問山 健太郎 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (00433285)
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Keywords | 脂質 / 循環器 / 心筋代謝 / 再灌流障害 / 未熟心 |
Research Abstract |
本研究の目的は、チアノーゼ型先天性心疾患の周術期の心筋代謝を考える上で重要な要素である、1) 心筋肥大、2) 慢性低酸素、3) 虚血後再灌流を包括的・統合的に検討可能なシステムを確立することにある。その方略として、肥大心の慢性低酸素暴露による心臓の膜脂質構成の変化、過酸化脂質産生の変化、抗酸化酵素類の濃度変化、組織carnitine濃度の変化、ceramide(脂質分画も含めた)濃度変化を測定することにより、虚血後再灌流障害における酸化ストレスとその予防・治療に対するカルニチンの有効性を明らかにする。 平成22年度はcarnitineエステル投与の優位性を検討するためacetylcarnitineを投与して同様の実験を行なう。生後4週ラットに対して動脈狭窄を作成し、その後低酸素環境(10%)で2週間飼育した。2週間の飼育後超音波検査で心肥大の程度と心機能を確認後、心臓を摘出し、開心術を想定したworking mode孤立灌流システムを開始(灌流液は高濃度酸素)して20分の前灌流、30分の完全虚血後40分の再灌流を行なった。2週間低酸素環境、孤立灌流虚血前、再灌流開始前、再灌流後それぞれのタイミングでサンプルを収集し、現在、心臓の膜脂質構成、抗酸化酵素(SOD, catarase, HO-1, eNOS)、 carnitine濃度の測定および結果の解析中である。さらに低酸素2週間の飼育中にcarnitineの投与を行い、1年次と同様のシステムでサンプルを取得して対象との比較検討中である。
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