2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21591398
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
楊 國昌 杏林大学, 医学部, 教授 (70255389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋元 義弘 杏林大学, 医学部, 准教授 (60184115)
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Keywords | 糖質ステロイド / 細胞内骨格 |
Research Abstract |
Yeast two-hybrid screenで得られたglcci1のリガンド候補であるdynein light chain 8(Dlc8)は、樹立したglcci1強制発現細胞株およびglcci1内在性発現株であるマウス胸腺細胞株を用いたプルダウンアッセイにより、確かにglcci1の結合タンパクであることが判明した。マウス胸腺細胞株に糖質ステロイドを添加すると、3時間後に内在性glcci1のmRNAが、6時間後からそのタンパク発現が促進され、この効果は、糖質ステロイド受容体拮抗剤の前処置により阻害されたことから、glcci1は確かに糖質ステロイド-受容体系を介した糖質ステロイド作用の直接下流分子であることが判明した。マウスに糖質ステロイド投与後に、胸腺T細胞のglccilmRNAの発現は同様に促進されたが、タンパクはむしろ発現低下が誘導され、そのdegradationと思われる産物の増加がみられた。同時に、胸腺T細胞のDlc8およびその結合細胞内骨格であるチュブリンの発現も低下した。これは、胸腺T細胞のアポトーシスの惹起と平行して観察された。最近、Dlc8がBimと結合し、アポトーシスを誘導することが判明したことから、糖質ステロイドによる胸腺T細胞のnegative selectionは、glcci1のDlc8への結合、それに引き続くglcci1-Dlc8-Bim複合体形成によるアポトーシスによることが判明した。これは、糖質ステロイド作用の免疫抑制機序という観点から、全くの新知見といえる。
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