2010 Fiscal Year Annual Research Report
大血管発生に関与するハプロ不全遺伝子とその表現型に関与する因子
Project/Area Number |
21591400
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
森島 正恵 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (00241068)
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Keywords | 循環器発生 / 遺伝子疾患 / ハプロ不全遺伝子 / microdeletion症候群 |
Research Abstract |
Foxc2ノックアウトマウス(オリジナル系:129SvEv X Black Swiss)をC57BL/6J(B6・F)およびICR(ICR・F)に戻し交配した3ラインのヌル個体(胚または胎仔)を用いて大動脈弓を中心とする心血管奇形のphenotypeの違いにおける詳細を解析した。 当初の計画ではin situ hybridizationおよび3Dコラーゲンゲルにおける遊走細胞のアッセイを予定していたが、B6・Fコロニーが繁殖不能に陥ったため、本年度前半を繁殖コロニーの充実と後半期の計画としていた関連遺伝子とのinteractionについて検討した。 B6-Nkx2.5ノックアウトマウスの分与を受け(William Pu, Children's Hospital, Boston)、B6・F-Foxc2ヘテロ個体と交配しdouble heterozygousの胎仔を解析したところ、培養細胞を用いたin vitro系ではNkx2.5とFoxc2遺伝子の相互作用が示唆されているにもかかわらず、心血管奇形は認められなかった。また、double heterozygous個体は生存可能で、飼育上明らかな臨床症状を認めなかったが、Nkx2.5ヘテロ個体に認められる心肥大傾向のみ現在のところ確認している。現在、継代コロニーの繁殖率は安定してきたが、母獣のストレスに対する胎齢15日以降のヌル胎仔の死亡率が高い傾向が認められている。このため、本年度後半は、鰓弓動脈のpatterningに関与することが報告されているTbx1, Ripply3遺伝子等のreal time PCR、およびwhole mount in situ hybridizationにより各系統間の遺伝子発現量およびその動態の比較を行うこととし、それぞれの系統の胎齢10日胚の胎仔の採集を行なっている。 これらの結果から、日本人における先天性リンパ水腫-睫毛重生症候群に合併する先天性心疾患とFOXC2遺伝子変異に関与する可能性のある因子について考察することが本年度の最終目標となっている
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Research Products
(2 results)